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2016.09/23 企画を成功させる(7)

政府が21日、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「廃炉を含め抜本的な見直し」を表明したことについて、地元からは不信や困惑の声が上がった、と昨日の産経新聞で報じられた。そして、「夢の原子炉、 迷走20年、 なぜ成果が出なかったのか」という表題の記事も掲載されていた。
 
廃炉に対する反対意見を地元民の名を借りて記事にしているところは、昨今の国民の動向を捉えた配慮だろう。国民の大多数は廃炉に賛成だからだ。ただ地元への経済の影響は大きいので、当然反対意見も局地的に多くなる。しかし、1兆円超が投じられながら、「無用の長物」と酷評されてきたもんじゅは、なぜ20年以上も成果が出なかったのか。
 
新聞記事では、ナトリウム漏れ事故での隠蔽工作や、組織のずさんな体質が論じられていた。しかし、福島原発の事故の状況やその後の対応などをみていると、ただそれだけではない。根本的に「甘え」が、担当している人たちにあった、と思っている。「あったのではないか」と推定にしていないのは、これまでの原子力関係の報じられた記事を読めば明らかである。
 
福島原発の事故後でも「甘え」は残っており、凍土壁の問題でもあれだけ金をかけても成功させようという気概が伝わってこない。もっと金出せ、金出せの大合唱である。この原子力担当者の「甘え」が無くならない限り、日本で原子力技術がこれ以上発展することも無いだろう。もし誠実真摯で志の高い人物が原子力関係の担当者の中に現れれば状況は逆転するかもしれないが、TVで見る限り、そのような人物にお目にかかれていない。
 
事業を推進しようとする時に、組織体制の果たす役割は大きいが、その組織に対して成果を出すように働きかけるのは人間なのだ。組織は成果を出すための単なる道具であって、成果は人が組織に働きかけて、初めて出てくるものなのだ。腐った組織でもそこへ働きかける人間が腐っていなければ、成果は出る。ゴム会社における高純度SiCの事業はまさにその事例だ。
 
原子力事業では安易に国からお金が大量に流された結果、それを担当してきた人間が腐ってしまったのだ。故ドラッカーも頭の良い人達が成果を出せない問題を指摘しているように、組織ではなく原子力事業に担当している人の問題に大きなメスを入れない限り、福島原発の事故処理もうまくゆかない。ご相談があればいつでも弊社は協力します。
 
 

カテゴリー : 一般

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