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2017.03/22 豊洲市場移転問題

豊洲市場移転問題についてそれを推進した責任を問う証人喚問が行われたが、明らかになったのは各責任者が具体的な実務の執行に際し、細部を管理せず印を押していた問題である。何らかの汚職が今回の証人喚問された方々によりなされたようには見えなかった。

 

かつてロッキード事件で政治と汚職の問題が問われ田中元首相逮捕まで至っているが、豊洲問題はそのような構図ではなく、天下り責任者の利用されやすい弊害が真の汚職を隠すという構図になっている可能性が高い。証人喚問の様子を見る限り、何かを隠すというよりも責任の擦り付け合いという見苦しい光景だった。

 

豊洲問題ではこのようなトップレベルの責任よりも、実務レベルにおける杜撰な手続きが一つの方向に向かって進められた大きな問題がある。ガバナンスの問題と言ってしまえばそれまでだが、民主主義の統治下ではその責任を一極集中しない。例えば豊洲問題では現在証人喚問されている責任者の組織体制以外に都民の代表と位置付けられる議会組織、とりわけ都議会自民党の責任追及が必要だ。

 

すなわち石原元都知事の責任同様に議会の責任も問う必要がある。これまで行われた証人喚問で見えてきたのは、石原元都知事以下の責任者たちが誠実真摯に職責を全うしようと努力していた姿勢ではなく、無難に仕事が流れてくれればそれでよし、という無責任な姿勢である。すなわちこの方たちは皆マネジメントというものを正しく理解されていなかっただけでなく、重職渡り鳥として生き延びることしか考えていなかったのだ。

 

このような出世だけを考えて仕事をしても出世できてしまう日本社会の問題が豊洲市場移転に伴う利権に利用された構図が今回の証人喚問で見えてきたのである。すなわち今回の証人喚問だけでは真の黒幕をあぶりだすことはできず、豊洲移転に絡むお金の流れと実務の進捗、そして議会の動きとの対応関係を明らかにすることが必要になってくる。もしかしたら、実務レベルに黒幕から接待や何か便宜をもらったふとどき者がいるのかもしれない。

カテゴリー : 一般

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