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2017.03/24 質問

先日の記事に対して、亡父がどのような本を読んでいたのか知人から質問が届いた。亡くなる前の30年ほどは、仏教関係の本ばかりで、最後の10年ほどは仏教彫刻に関する本だった、と答えた。

 

回答してみてふと思った。最後の10年は絵本を読んでいた感覚ではなかったのだろうか、と。仏教彫刻の本は写真が多かった。そのため一冊の値段は、その昔一世を風靡した「サンタフェ」という写真集とほぼ同じだった。

 

観音様や仏様の彫刻の写真を見ながら亡父は何を考えていたのか知らないが、一冊一冊丁寧に手製の表紙が付けられていたのが印象に残っている。

 

当方がゴム会社から写真会社へ転職したころから仏教関係の本を読み始めており、また、転職してからは説教が線香くさい話になっていた。若いころの「ばかたれ」と叱られるよりも柔らかい説教だが、その時間が長くなっていた。

 

昔ならば、説教の後「この本を読んでおけ」と渡されたものだが、年を取ってからは推薦書が説教の後に無くなった。仏教関係の本は一冊も推薦されていない。おそらく当方が宗教関係の本など読まない、と亡父は判断していた可能性がある。

 

親子の関係は、親が亡くなるまで続く。子は親にとっていつまでも子なのである。子育ての本に親の子離れの話が載っていたりするが、亡父は最後まで親としての立場、態度をとり続けた。

 

自分に子供ができてみて父親の気持ちが少し理解できたように思う。若い頃は説教の途中で東京に帰ってしまったが、息子ができてから最後まで説教を聞けるようになった。

 

転職については猛反対であったが、転職理由については褒めてくれた。亡父の愛読書がドラッカーだったので詳細な説明は不要だった。ただ学位論文をあきらめようとしたことを伝えたら、セラミックスから高分子に仕事を変えたなら高分子で学位を取ればよい、と叱られた。

カテゴリー : 一般

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