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2017.10/20 神戸製鋼の問題(4)

高分子材料で生み出される製品の製造プロセスは、コンパウンディング→成形→製品組立となるが、製品性能は、成形体物性に大きく影響を受ける。ゆえに成形メーカーはコンパウンディングメーカーに成形体物性の品質保証を求める。

 

しかし、多くの場合にコンパウンディングメーカーは成形体物性の品質保証を断っている。ただ、樹脂の難燃性や熱伝導率などその付加価値を示す機能については品質保証を行う場合もあるが、多くはコンパウンドメーカーにとって無難な項目で品質保証を行っている。

 

ちなみに、押出成形で半導体ベルトを製造する時に重要なことはコンパウンド段階でその性能を保証できなければ、成形工程で多大なエネルギーを使い生産することになる。

 

なぜなら押出成形は「いってこい」の世界であり、コンパウンド段階で機能が作りこまれていなければ歩留まりの高い生産が不可能だからだ。このようなことを知っていたので、前任者の無責任な要求にも迅速に評価技術を開発して答えたのだ。

 

話は横道にそれるが、先日(3)で書いた不良在庫の問題は、廃プラスチックを用いた難燃性樹脂というテーマを企画し、全部消費した。おかげで退職を一年延ばすことになり、最終出社日が2011年3月11日となった。

 

ちなみにこの企画は、退職後引き続き担当したメンバーが社長賞を受賞している。そしてメンバーの一人は、当方にその記念品をわざわざ送ってきてくれた。

 

これは少しいい話であるが、材料メーカーと成形メーカーとの間の品質管理にかかわる悩ましい問題も神戸製鋼の問題の背景には存在する。誤解を恐れずに言えば、コンパウンドメーカーのように改竄をする必要のない仕様書にしておれば問題発生は無かった。

 

例えば記録として残さなければいけない測定値と現場で参考に測定し、異常を検出するための測定値に分けて管理する方法がある。後者は記録として残さない仕様にしておけば測定値の改竄など起きない。

 

 

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