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2017.12/11 ドラッカーの遺言(3)

ドラッカーは、社会が大きく3つの組織で成り立っているとした。一つは企業(組織)であり、価値の創造と創造された価値をもとに利潤を大きくし持続的な成長を目指す組織である。

 

他は、サービスという価値を社会に提供し、特に利潤の追求を行わないNPOという組織と、社会に生み出された利潤を再配分する組織、すなわち政府である。この3つの組織で現代社会が成り立っていると説明している。

 

そしてそれぞれの組織のベクトルは健全な社会の持続的発展という一つの方向に向いている。ゆえに、各組織で働く知識労働者は本来皆誠実かつ真摯であるべきだが、そのような状態は無理である。

 

そこで、ドラッカーはリーダーの役割の一つに次世代のリーダーを選ぶときに気をつけることは、誠実かつ真摯な人を選ぶことだと明確に言っている。

 

横綱は、ただ強いだけではだめでその品格までも高いことが求められており、まさに力士のリーダー的立場である。ゆえに日馬富士が引退に追い込まれたのは当然で、白鵬も同様の責めを本来は負うべきである。

 

しかし相撲協会は白鵬に対する指導は腰砕けであるばかりか、腫物を触るような扱いをしており、このままではつぶれかねない組織の状況である。

 

白鵬が、何故警察で7時間以上もの事情聴取を受けねばならなかったのか、またすでに公開された事実からみても、今回の事件で負わなければいけない彼の責任は十分に大きい。日馬富士も恨みに思っているかもしれない。

 

ところで先日東芝の社長、会長を歴任し経団連副会長まで務めた西田厚聡氏がお亡くなりになったという。東芝を現在の状態にしたリーダーの一人だが、さすがに葬儀を社葬で行うとはならなかったようだ。

 

誠実な人材をリーダーに選ぶことができなかった場合に会社がどうなるかは東芝の人事から学ぶとよいかもしれない。誠実で真摯な人材をリーダーに選ぶことの難しさもドラッカーは語っている。サラリーマン生活で見てきたのは、リーダーが悪い場合に、良貨を悪貨が駆逐する社会である。

カテゴリー : 一般

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