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2017.12/12 ドラッカーの遺言(4)

白鵬に対する相撲協会の姿勢は、しばしば企業でも見られる。その影響で、最近の若い人の中には管理職になりたくない人が増えてきていると言われている。

 

今回の日馬富士の問題は、貴乃花が毅然とした態度をとったことにより、世間に相撲協会のガバナンスの問題だけでなく、あるべき姿を実現しようとする時の個人にかかる組織のプレッシャーが見える化された。

 

相撲界から暴力追放の流れの中で起きた日馬富士問題において相撲協会の重要な仕事は、「暴力に対する毅然とした対応をとること」であったはずだ。この仕事がまず第一である。この仕事の中で、親方である貴乃花は必死で弟子の貴の岩を守っているのである。

 

相撲協会は、焦点をこの仕事に合わせるべきだったが、それをしなかったのである。その結果、親方という重責を必死で果たそうとする貴乃花にその責務以上のプレッシャーを与えることになり、親方のかたくなまでの姿勢に導いた。

 

これはマネジメントとしてみたときに、もっともやってはいけないことと、ドラッカーは述べている。すなわち、人が責任という重荷を負うためには、焦点をその仕事に合わせたマネジメントがなされなければいけない、とドラッカーは「マネジメント」の中で説明している。

 

企業の中でもしばしば中間管理職は、貴乃花のような境遇に晒される。このような状況を若い人が見たらどう感じるのか。

 

正しい仕事の責任を遂行しようとしたときに組織の誤ったプレッシャーに晒されたならば責任を果たすことが難しくなる。相撲協会を事例に、本来の仕事以外に社員の行動を制約したときに生じるマネジメント上の問題を考える機会である。

カテゴリー : 一般

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