2018.10/22 ボケ
最近やたら背景をボカした写真が多くなった。カメラ雑誌でこの10年ボケを盛んに話題にし始めたためだろう。ただ、何となくこの傾向はカメラメーカーの陰謀のような気がする。なぜなら、携帯に付属しているカメラではきれいなボケが得られにくいからだ。
すなわちきれいなボケの効いた写真を撮るために一眼レフを買ってください、というわけだ。20年ほど前ツアイスレンズのボケが最高とカメラ雑誌でもてはやされたときがある。ニコンの85mmF1.4のレンズでは、滲みが出てボケが汚い、とその道のプロたちが評を書いていた。
デジタルカメラの未来が見え始めた当時、ペンタックスからニコンに乗り換えようとF100を購入した。そしてボケの評判が良くない85mmF1.4のレンズも購入した。娘の写真を何枚も撮ったが、ボケ部分の滲みの独特の美しさがニコンレンズの特徴と感じた。必ずしもプロの先生方の評が正しいわけではない。
むしろ、カリッと映りすぎる点が気になった。ペンタックスのリミテド77mmF1.8の映りに比較すると、極めてシャープである。何やかやとペンタックスとニコンの両方を使い込んでたどり着いたのは、レンズの特性からくる味のほうが大切だろうと感じるようになった。
ボケもいつも大きくぼかせば良い、というものでもない。大きくボカせば、人物がくっきり浮かび上がり、ポートレートであればそれだけで作品としてうまく見える。しかし大きく背景のぼけた写真は、被写体に力が無ければ面白くない写真になる。ある程度被写体に物語を付加してくれるようなぼかし方であると、無難である。
特に家族写真であれば記録性が求められるので、ある程度背景を読み取れるぐらいのぼかし方がよい。必ずしも大きなボケがいつも良いとは限らないのだ。そしてその程度のボケではニコン85mmF1.4は、独特の滲みを見せる。
カテゴリー : 一般
pagetop