2025.03/11 高分子成形体の密度変化
高分子成形体の密度は、重要なパラメーターである。しかし、これに無頓着な技術者は多い。技術者だけでなく、一般消費者もこれに関心を持ってほしい。例えば100円ショップで同一形状のプラスチックケースを複数購入した時に重量を計測すると、それがばらついていることに気がつく。
PS製品であれば、密度を計測し、1年後その密度を再計測すると変化していることに驚くことがある。中には変形する製品もある。100円ショップの製品だから、と思ってはいけない。
高級品でも同様である。二**のF100というフィルムカメラの裏蓋が破損した時に、破片と本体の密度をアルキメデス法で計測したら異なっていた。すなわち、成形体部品に不均一な密度分布があったことになる。
これが経時で生じたのか、最初から密度分布があったのかは不明だが、最初から密度分布があったのならば、二**は重要部品の品質管理をやっていなかったことになる。
セラミックスでも金属でもその成形体の密度を計測すると理論密度となっていないが、高分子ほど経時での変化は大きくない。セラミックスなど10年や20年では変化しない。
この高分子が時間経過とともに密度変化している問題は、製品の品質管理で重要になる時がある。もし気になった技術者がいたら弊社へ問い合わせていただきたい。
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