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2025.06/06 産地名のブランド価値

今回の米騒動で、米の味が産地よりも精米プロセスに大きく依存していることを知った。現在の日本で生産されている米の味は、産地によりそれほど大きく変わらず、また備蓄米でも炊き方でおいしくなることを学んだ。


50年以上前、自主流通米が登場した頃、米屋のインチキがニュースになった。すなわち、配給米を混ぜて自主流通米として高く販売している業者がいた。


当時配給米には、古米や古古米、古古古米が使われていた。ココココケコッコーという古米を扱った漫才まで登場したぐらいで、配給米はまずい、という話題は今回の米騒動同様に国民の関心ごとだった。


当時の不味さの原因は、臭素系の保存剤の影響があったらしい。そして人体への影響がニュースになっていた。しかし、今は米の保存技術も進歩し、コココ米でもおいしく食べられるという。


今回の騒ぎで店頭に並んでいるお米を観察するようになったが、高い値段のブランド米でも色合いが悪い米や割れた米が袋から見えることに気がついた。


これらは十分な精米技術を持っていないところで精米すると発生するという。あるワイドショーでは、精米プロセスの異なる米を炊いて味が変わることを番組で紹介していた。


また、魚沼産のコシヒカリというブランドが書かれた袋に入っていたひどいお米の存在を話題として取り上げ、産地偽造なのか精米方法が悪いのか不明と言う説明をしていた。


今回の米騒動は、日常考えなかった主食の問題を見直すきっかけになったのだが、それにより、産地名のブランド価値が下がった。我が家では農家からコシヒカリを直接購入しているが、魚沼産ではない。しかし、十分においしいのだ。


20年以上前に、炊飯器のイノベーションがあった。当時10万円以上もする高価な炊飯器を購入したが、それで炊いたときのご飯のおいしさにびっくりした。


すなわち、ご飯は、プロセス依存性が大きな工業製品のようなもので、産地よりも米の処理業者の信用が、新たなブランド価値になるのではないか。

カテゴリー : 一般

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