2025.06/14 心霊現象
ネットの記事には、ときどき日常の勘違いを真面目に書いているときがあり、面白い。例えば、Hという喫茶店に一人で入店した時に、「お二人ですか」と言われてドキッとした、というのがあった。
当方もH以外の店で同様の体験をするが、心霊現象ではなく、店員の皮肉である。一人ならば4人席に座るな、という意味である。
類似の事例は、買い物で「お友達にもう一ついかがですか」というのがある。一人で買い物に来ているのに、あたかも二人連れのような問いかけである。
この問いかけに対して、「君には、亡くなった友人が見えるのか」と応えたところ、店員が突然吹き出したことから、心霊現象ではないことが分かる。
日常のこのような勘違いは、笑って済ませることができるが、高純度SiCの新規合成法を発明した時の偶然は、少し怖い。
無機材研留学中に、昇進試験に落ちたのだが、昇進試験と言っても事前に問題が漏れており、その漏れていた問題が出ていたので、100点だったはずである。しかし、その試験に落ちた連絡が、たまたま無機材研所長室へゴム会社の人事部長から入ったのである。
所長は、試験問題について尋ねてきたので、「あなたが推進したい新規事業について書いてください」という研究所ではよく出る問題でした、と答えている。
そして、そこに高分子から高純度SiCを安価に合成してSiCウェファーはじめ半導体関連事業を始める、という、以前無機材研の面接で回答したようなことを述べた、と説明したところ、1週間チャンスを与えるから、それを実験して見なさいとなった。
そして、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのポリマーアロイを合成してそれを前駆体に用いたプロセスを4日間で成功させるのだが、この成功に至る過程では、ホラーと呼べるような出来事がいくつも重なっている。
フローリー・ハギンズ理論で否定される均一な前駆体が簡単に合成されたり、一発でSiC化の熱処理条件が見つかったり、いくつかの偶然の出来事は、神様のお手伝いが無ければ成功しなかった。換言すれば4日間という短期間で研究がまとまったのは、科学で説明できない出来事が続いたからである。
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