よくわかるゴム・樹脂の混練技術の基礎から応用まで
<概要>
大半のゴム・樹脂材料は、機能を付与するための各種配合剤がベースとなる高分子に添加されたコンパウンドとして提供されている。このコンパウンドは、成形プロセスで形状が賦与され部品もしくは製品となる。ここで、成形体の品質問題が起きた時に成形プロセスの制御因子だけ検討していては解決できない場合がある。たとえ成形技術の経験知が豊富でもコンパウンドの問題に気づかなければ品質問題を解決できないケースもある。
本セミナーでは、混練技術について高分子のレオロジーの視点から解説し、成形体の品質問題が起きた時に混練技術の制御因子まで考察できるスキル獲得を目指す。
この目的のために、顧客である製品組み立てメーカーにおいてブラックボックスとされた物性で起きた品質問題をコンパウンドメーカーの立場でデータサイエンスの手法を用いて解決した事例を解説する。また、組み立てメーカーの立場の講演者が遭遇した成形体の品質問題について、既存のコンパウンドメーカーの技術では解決できないと判断し、3ケ月でコンパウンド工場を建設した体験談を話す。この体験談で、ゴム材料開発過程で修得したカオス混合技術を二軸混練機に応用した最新技術が説明する。
混練技術は、21世紀になってもトランスサイエンスの問題を抱えており、その開発には科学の形式知だけでは対応できず、タグチメソッドはじめデータサイエンスのスキルも重要となる。技術開発のヒントとなるように一部の事例ではデータサイエンスの主要プログラム言語となったPythonの有用性にも触れる。
<習得できるスキル>
高分子のプロセシング技術に関する全体像
コンパウンド設計を行う時に必要なプロセシング技術の知識
混練プロセスにおけるトラブル対策の考え方
<対象>
コンパウンド設計・開発を担当する技術者
成形技術を担当する技術者
高分子材料成形体を扱う商品開発担当者
<内容>
1.高分子材料のツボ
1.1.高分子とは
1.2.高分子のプロセシング概説
1.2.1.高分子のプロセシング技術
1.2.2.混練技術の歴史
1.2.3.分配混合と分散混合
1.3. ポリマーアロイ、ブレンド
1.4.パーコレーション転移
1.5. 高分子材料の評価技術
2.混練とレオロジー
2.1.高分子鎖の運動とレオロジー
2.2.分子量とレオロジー
2.3.ゴム弾性
2.4.分散系とレオロジー
2.5.剪断流動と伸長流動
3.バッチプロセス
3.1. 混練時間と分散状態
3.2.ロール混練
3.3.事例:防振ゴム用樹脂補強ゴム
4.二軸混練機
4.1.連続式混練機
4.2.二軸混練機の仕組み
4.3.スクリューパーツの種類
4.4.二軸混練機における高分子の流動
4.5.二軸混練機の運転とトラブル対策
5.カオス混合
5.1.カオス混合とは
5.2.カオス混合装置の効果
5.2.1.難燃性PC/ABSの事例
5.2.2.半導体無端ベルトの事例
6.配合設計技術
6.1.タグチメソッド
6.2.データサイエンスの活用
事例:コンパウンドの品質問題解決
7.まとめ
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