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2016.12/08 社会のコミュニティー(1)

現代社会には、大きな3つの組織があるという。政府とNPO、そして営利組織としての企業である。これは故ドラッカーの書に書かれている説明だ。

 

そして営利組織としての企業の目標は、顧客の創造にある、と彼は説明する。経済学では利潤の追求こそが企業の目標、と学生時代に習ったが、これを彼はきっぱりと否定している。学生時代にこの一節を読んだとき頭が混乱したことを憶えている。単位こそ取れたが経済学の試験は散々な点であった。

 

この3つの組織はそれぞれ社会のコミュニティーでもあるが、今企業のコミュニティーとしての機能が崩れてきている。それは、企業を退職したOBが所属するコミュニティーへの参加者の減少となって現れている。

 

もっとそれ以前には、慰安旅行がバブル崩壊とともに無くなった。ゴム会社に入社して3年ほどは慰安旅行があった。しかし、それがはとバスツアーに代わって宿泊が無くなり、転職するときには何も無くなっていた。

 

転職の時、送別会の希望を聞かれた。「これだけ貢献したのだから、一泊のゴルフツアーでもやってくれたなら参加する」と応えたら、退職後本当に実現してくれた。お金がどこから出たのか知らないが高価なゴルフセットの記念品も頂き恐縮した記憶がある。幹事と会社に感謝である。

 

ゴム会社には、こうしたコミュニティーとして面白いところがあった(注)が写真会社に転職してその風土の違いにびっくりした。有志だけでも慰安旅行をしようと提案し、一度実現したが、転職した部署がリストラされて消滅してからは、その余裕が当方にも無くなった。ひたすら成果を追い求めた。

 

(注)就職したときのゴム会社の評判として、家族的風土という項目もあった。研修で体験したゴム会社全体の風土は家族的風土だった。しかし、配属された研究所は、社内でも噂されていたような雲の上の組織だった。それでもその風土改革に努力していた役員がいた。とかくアカデミア風の仕事に流れやすい組織長に対し、「女学生より甘い」という渇を発した役員であるが、尊敬している。ゴム会社には、尊敬すべき役員や同期が多数おり今でも交流が続いている。家族的風土が裏目に出ると問題が起きたときに身内を守ろうとする誤った動きをする人も出てくる。転職の原因は、まさにそのような動きで皮肉な出来事だった。

カテゴリー : 一般

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