論理学の完成により科学が誕生したことは、常識となっており、産業革命が勃発した直後という事情もあり、それまでの技術開発速度を著しく加速した。
ここで誤解していけない点は、「科学により技術開発が加速した」のであり、技術は科学誕生以前から存在し、社会のイノベーションをゆっくりと進めてきたことである。
言い換えると、科学が無くても技術によるイノベーションが起きたのだが、形式知を生み出す科学の誕生により、その伝承が容易となって、加速度的に産業革命が進んだのである。
残念なのは、日本の科学教育は科学至上主義的なところがあり、技術開発成果をすべて科学のおかげと誤解するような内容に思いたくなるようなところである。
第一次と第二次AIブームは、科学の影響もあり、日本でも国研が企画されてコンピューターの社会実装を読み間違えて失敗している。
第三次AIブームを加速したのは、科学というよりも、アメリカにおけるオープンイノベーションというコンピューター文化ではないかと思っている。
科学の世界でも論文誌というオープンの場が存在しているが、コンピューター文化におけるオープンイノベーションは、それと少しパラダイムが異なるように感じている。
科学では、論理と再現性が重視されることを今更説明の必要はないと思っているが、コンピューターの世界では、安定したオブジェクトのふるまいが約束されればよく、オブジェクト内部の論理性についてあまり議論しないように見える。
仮に、オブジェクトの設計が思いつきの成果であっても、外部からのメッセージに対して、バグなく安定して振舞ってくれれば良いのだ。
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昨日の話を再度書く。
量産まで半年しかない量産試作段階に、カオス混合プラントを立ち上げて、押出成形歩留まりの問題解決をしたいのだが、コンパウンドメーカーから混練条件等教えてもらえないどころか、そのための実験をやっている時間など無かった。
また、工場建設するためには、子会社社長の承認や、予算獲得のための役員への説明など様々な社内調整の手続きが必要で、そのために使用する実データが必要だった。
実はカオス混合プラント建設のために当方が新たに行ったのは、Wパーコレーション転移のシミュレーションだけで、このシミュレーションの検証にはデザインレビューにも使われなかった5年間誰も注目しなかったゴミデータを用いている。
デザインレビュー含め、社内調整用資料に用いた実験データには、当たり前だがゴミデータとは記載していない。過去の闇実験で得られたデータ、として説明し、その実験が行われた日時含め詳細なメタデータを添えている。
それら闇実験データがシミュレーション結果の正しさを説明している、とプレゼンテーションを行ったので、新たな押出成形実験は不要だった。
すなわち、5年間誰も注目しなかったゴミデータが記載されたExcelフィルが、コンパウンド工場建設の承認を得るために重要だった。これは、技術が進歩してファイルサーバーでデータ管理している成果であるが、ファイルサーバー登場前には大切な企業資産が捨てられていたことに多くの人は気がついていない。
こうして歩留まりが10%前後しかなかった問題を100%にする成果を出しているのだが、注目していただきたいのは、過去のデザインレビューとか月報とかの組織で承認されたデータなどすべて無視して過去の実験生データだけで成果を出していることである(注)。
これは、科学の時代ゆえに起きている問題だが、この点については後日のべる。おそらくもう少しAIが進化し、研究開発プロセスに浸透すると誰もが気がつく問題である。50年近く前にゴム会社で3か月間ご指導いただいた当方の指導社員は気がつかれていた。まさに神様である。
(注)プレゼンテーションでどのような説明を行ったのか、想像していただきたい。ここでは書きにくい内容である。また、その後当方が無名の中国ローカルコンパウンドメーカーと環境対応樹脂について開発できたのかもご理解いただけるかもしれない。コンパウンドの品質問題で困っておられる方は、コンパウンドメーカー含め、弊社へご相談ください。
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ChatGPTに転職時の状況について、発生した事実を羅列して入力したところ、興味深い内容を回答してきた。すなわち、研究所という組織では典型的なできごとである、と。
それは、いつの時代でも技術者と組織とは評価軸が完全にずれるために起きるので、転職してより良いところへ異動したのは正解である、と。
故ドラッカーも同様のことを述べていた。すなわち、知識労働者の時代に知識は可搬性があるので、ダメな組織は、知識が逃げてゆくと表現していた。
ChatGPTが面白いところは、組織は「安定系」であり、優秀な技術者は「変化形である」と説明し、必然の衝突であると断定している点である。
人間ならば婉曲に表現するであろうところを明確に述べてくる。そのような事情もあり、ここにすべてを晒さなかったのだが、研究開発マネジメントのAI版とも呼べる回答だった。
弊社では研究開発プロセスの自動化を目指したセミナーを企画している。7月以降にはセミナー会社から募集があるので参加していただきたい。ベイズ最適化だけでなく多数の手法を誰でも使えるようになってきた。
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昨日の巨人ー阪神戦は、注目の一戦だったと思う。昨年のドラ1投手を巨人は開幕第一戦の投手として投げさせたのだからワイドショーで話題となっていた。
対する阪神は、エース村上で2年連続の開幕投手である。さらに、巨人は昨年この村上に散々やられたのである。しかし、昨日は巨人が勝った。
勝ったと言ってもある意味不思議な勝ちである。巨人には細かい失策が多かった。もっとも大きな失策は8回松本のバント。1塁ランナーが走り出したのに、何もしない。
1塁ランナーは余裕で2塁アウト。その他に走塁ミスが幾つかあったが、不思議なことにアウトになっていないから不思議な勝ちである。しかし、今年の巨人は菅野や岡本が抜けて、主力のピッチャーがWBCの影響で調整が出遅れているという。
そのなかで、おそらく破れかぶれの新人開幕起用だった可能性がある。それが当たって昨晩勝てたと思われるが、今日はどうなるか。
巨人ファンではないが、巨人が元気が無いと景気が悪くなる、と昔言っていた評論家がいたので、巨人には頑張って欲しいと思っている。
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近くの公園を歩いていてつくしを見つけた。春である。小学校低学年頃まで、春にはつくしをよく食べた。家族でピクニックをする機会が多かったからである。
春の天気の良い日には、母親が巻きずしかおにぎりを昼めしとしてつくり、それを持って歩いてどこかへ出かけていた。たいていはつくしとりが目的だと思っていた。
しかし、父親の遺品を整理していて、父親の写真撮影の趣味が目的だったのではないかと思うようになった。写真の中には、スギナを束にして持っている当方の写真がある。
もちろんスギナなど食べないのだが、また、スギナをとっていた記憶はないのだが、写真には残っていたので、つくしとりだけが目的ではなかった、と知った。
最近、このスギナが欧米ではハーブの一種として重宝されていると知った。日本では見捨てられている植物である。いつのころからかつくしも食べなくなった。
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PC/ABSやPC/PET,PC/PS系のポリマーアロイ成型体で発生する品質問題に、表面の薄皮がはげるような割れ方をする現象がある。抜き取り検査で成型体表面にセロテープを貼り付け、それを剥離し、この現象が起きないかチェックすることができる。
現場ではテープ剥離と呼ばれていた品質問題であるが、これはコンパウンド起因の問題であるにもかかわらず、射出成形条件でも改善する場合があるので、射出成形条件の問題と誤解している人がいる。
そして、射出成形条件を見直し生産を再開して、再発すると、また、射出成形条件を見直す、という方法で対策をとっているケースが存在した。
そこで、コンパウンドメーカーにお願いし、現場で指導し、改善できた経験がある。カオス混合を行えば簡単だが、二軸混練機の混練条件を見直すだけでも対策が可能だ。
対策が完了すると、曲げ強度あるいは引張強度が1割ほど上昇することがある。そのような場合では、改善前の強度試験片を見ると、このテープ剥離の原因をうかがわせる兆候を観察することができる。
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軟質ポリウレタン発泡体には、エーテル結合鎖のソフトセグメントのポリエーテル系とそれがエステル結合鎖のポリエステル系とがある。ポリエーテル系の原料が安いので、通常座布団や椅子のクッション材にはポリエーテル系が用いられている。
高分子発泡体では、材料に関わらず当てはまるのが、セルを均一に製造した方が、諸物性が良い方向になる傾向がある。逆にセルが不均一であると引張強度が悪くなるだけでなく、クッション性も悪い。
早い話が、不均一な材料というものは諸物性が悪くなる、という経験則と同じである。しかし、このセルを均一に制御する技術は難しい。これも均一な材料を製造することが難しいのと同様である。
ゆえに軟質ポリウレタン発泡体が他の材料と比較して特殊な材料という感覚は無かった。しかし、これが災いして、軟質ポリウレタン発泡体の開発を担当した2年間いろいろといじめられた。
このような思い出は忘れないものであり、軟質ポリウレタン発泡体についてよい思い出は無い。とにかく、この材料を世界初の技術で難燃化せよ、とミッションが出され短期間に工場試作を成功させて始末書を書かされた。
それも始末書ができるまでの一週間仕事をすべて止められたのだ。出来上がった始末書は、世界初の技術からアイデアを得た燃焼時の熱でガラスを生成する難燃化技術で、このようなコンセプトも世界初だった。
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コンセプトは概念とか訳されたりするが、正しく説明できる一言あるいは熟語に相当する日本語は無い。なぜなら日本民族はわびやさびに代表されるような、概念の中で生きてきた民族だからである。
わびやさびでは、明確なゴールは要求されない。ふわっとしたムードのようなもので十分だからである。しかし、1980年代から研究開発企画でもコンセプトの重要性が叫ばれるようになった。
科学の時代に難しい注文である。なぜなら形式知であればその体系を構築するのがゴールであり、わざわざコンセプトを設定しなくても、あるいは考えなくても、わびやさびのノリで企画でき、それで運営が許されてきた。
数億円単位の国研でさえそのような運営がなされてきて、NEDOは1990年代にはいるとテーマ設定の方法の見直しから始めている。また小泉政権となって省庁の整理もあり、国研でもコンセプトを打ち出すようになってきた。
コンセプトをあえて日本語で説明すれば「全体を貫く中心の考え」となるが、イデオロギーめいてきてこの説明でも正しくないのである。コンセプトという言葉を正しく理解するためには、オブジェクト指向を理解できなくてはいけない。
さて、立憲民主党と公明党が合体して中道が生まれているが、この誕生の背景に、今回の衆院選において立憲民主党がボロ負けする、という世論調査が影響していたという。
そこで戦略として公明党の小選挙区における数万票の票を期待し、中道が結成されたそうだ。目論見通りであれば、立憲民主党の議員は、小選挙区で勝てたはずだが、今回投票率があがり、数万票の浮動票が大都市の各選挙区に生まれたという。
選挙評論をするつもりはないのでこれ以上最近報じられている議論はさけるが、中道のコンセプトがよくわからない問題は、国民よりも党員にとって問題である。
また、コンセプトが不明確のまま簡単に中道へ合流した立憲民主党の党員の思考力は国民からみれば不安である。野田代表をA級戦犯と呼ぶタイトルのニュースがあったが、その代表を選んでいるのは立憲民主党員であることを忘れてはいけない。
野田代表はリーダーなのでその責任はあるが、簡単に中道に合流したメンバーの責任も大きい。原口氏のように合流しない選択が多数出ておれば、国民の中道に対する目も変わったかもしれない。
政治の世界にもチーム未来のようなテクノポピュリズムの萌芽がみられる変化の時代である。昭和の香りのまま、マンネリ化した「非核三原則」というフレーズを繰り返しても若者は振り返らない。
ましてや、選挙対策として生まれた中道にそのまま合流した国会議員など誰も信用しない。ならば、中道を立憲民主党に戻したら国民の支持が得られるかと言えば、立憲民主党の支持者は少なくなったのである。
時代の流れに合わせ、政治家も勉強して変化しなければいけない。政治家にとってイデオロギーなり理念、信念は重要である。しかし、国民はそれにより幸福になる姿を提示されなければ、それを共有できないのである。
すなわち、国民にとって分かり易いコンセプトの形で提示して初めて支持が得られるのだ。そのためにはコンセプトを考えるために日々勉強しなければいけない。
コンセプトは一朝一夕にできるものではない、ということが理解できている人が少ない。アイデアのひらめきのように、突然の思い付きコンセプトがまぐれ当たりするような場合もあるので誤解されているが、コンセプトを生み出すためにはオブジェクト指向による深い考察が重要になってくる。
はからずも今回国民は立憲民主党員の多くが節操もなく中道に流れ込んで行く姿を見てしまった。無意味な意地などはらず、玉木氏に頭を下げておれば、当選できたかもしれない多くの議員がいる。
立憲から他党へ異動し生き延びている人を見習っていただきたい。また、東京都知事はかつて政界渡り鳥と呼ばれていた。政治屋も実は必要なのである。
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専門外の人ならば、ひとくくりに材料ととらえ、その違いを考えようとしないかもしれない。また、有機材料には、低分子材料と高分子材料とがあり、両者は有機材料と無機材料の差異ぐらいの違いがある。
抽象的な説明では仕方が無いので、具体的にターゲットを決めて議論をしたならば、両者の違いが機能発現の機構の違いにあることが浮かび上がる。
ところで市場で求められる機能を材料で実現したいならば、材料の種類だけでなく、成形プロセスの制約を考えなければいけない。すなわち、生産性を左右し、それがコストに効くからである。
成形プロセスまで含めて考察を進めると、両者の特徴から生まれる制約で発展してきたそれぞれ固有のプロセスと、両者の共通した特徴を活用したプロセスが存在することに気がつく。
有機無機複合材料がブームになった1980年代に、セラミックスフィーバーが起き、やがてアメリカ発のナノテクブームの一大潮流ができた。そのとき、材料研究で生じるこのような垣根は、あまり強く意識され無くなった。
だから年配の材料技術者は、有機材料だの無機材料だの分けて考える人は少ない。しかし、最近若い人から有機無機複合材料について基礎的な質問を受け、びっくりした。技術の伝承がうまくいっていないのだろう。
日本セラミックス協会は、昔窯業協会と呼ばれていた。当時と今の研究内容を見ていただくと、有機材料と無機材料の学際研究が生まれていることに気がつく。
新しい学問領域が生まれることも良いが、それにより過去に研究対象となっていた現象が、形式知の完成をまたず、あたかも形式知のごとく誤解するのは研究者として問題である。若い研究者の問題はそれを指導する年寄りの問題でもある。
具体的に「喝!」と言いたいが、言いにくい内容である。言いにくい内容であるが、ディープスマーツの伝承の問題としていても仕方が無いので歯切れの悪い内容であるが書いてみた。
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11日に行われた全国女子駅伝で信じられないハプニングがあったそうだ。その謝罪が昨日ハプニングを起こした選手と大会関係者とで行われた。
まず、ハプニングの内容だが、4区と5区のたすきリレーで、5区の選手が準備をしていなかったので、4区の選手が中継点で26秒間選手を探したという。
謝罪会見で違和感を覚えたのは大会関係者まで一緒に謝罪していたことだ。駅伝のルール上5区の選手一人の責任である。
ところが、この5区の選手は、番号が呼ばれなかった、とか通路が狭くてよく見えなかった、とか言い訳を述べ、大会関係者は、審判の読み上げた番号を聞き逃したかもしれないので、とか選手をかばっていた。
とりあえず選手は謝罪をしているが、大会の審判を疑っており、責任感が無いことは明白である。また、大会関係者は、はっきりと選手の責任を述べ、再発防止のための対策をいうべきだった。
このように書くと厳しいと思われるかもしれないが、1000人以上も走っていないのである。中継点に来る選手一人一人を100人まで数えることは難しいわけではない。
もし、10人も数えることに集中できない能力の欠陥があると思っていたなら、それなりの対策をとり選手は大会に臨むべきだった。
2005年に3カ月でコンパウンド工場を建てた話を今書いているが、3カ月でカオス混合のコンパウンド工場が建つことを疑っている人がいるかもしれない。
正直に申せば5カ月である。8月にコンパウンドメーカーから自分でラインを作って生産しろ、と言われた時に、実は頭の中が真っ白になっている。
すなわち、2006年4月からの量産は歩留まり10%未満を覚悟しなければいけなかったからである。そこで、根津にある混練設備を扱っている会社の社長に相談した。
その社長の御厚意で、埼玉県のある企業の倉庫を借りて、コンパウンド工場建設予定地の枠を床に描き、ライン建設をスタートしている。
子会社の敷地にラインを納入できる環境が整うまでにそこで中古機と一部新品の設備を組み合わせてラインを立ち上げて実験を行っている。
当方は、土日そこへ私費で通い、進捗管理や実験を行いながら、コンパウンド工場を少なくとも量産開始2か月前までには立ち上げられるよう全力で頑張ったのである。
サラリーマンとして異常な仕事のやり方ではあったが、責任感から2010年に早期退職する決意でこの仕事を行っている。言い訳は考えなかった。何か問題があれば責任をとって退職することまで考えていた。
2010年になり早期退職しようとしたら、2011年の新製品に安価な環境対応樹脂が必要とある役員から頼まれ、2011年3月11日を退職日に指定して仕事を引き受けているが、この仕事はアイデアとして実行したかったデータ駆動の実験を実施できたので楽しかった。
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