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2026.06/20 技術の日産

ジュークで小型SUVの市場を生み出した日産が、その市場の姿をイノベーションするだけでなく、自動車の市場全体における戦略の変更を自動車業界に訴求しているようである。

これまで、自動車には車種に応じた車格があり、価格にふさわしい車が提供されてきた。この市場の特徴を踏まえ、トヨタはレクサスを高級車ブランドに定着させることに成功した。

ホンダも日産も当初同様の戦略を進めたが、レクサスほどの成功を収めることができなかった。これについては、過去に評論がなされているので、ここでは取り上げない。

今回キックスの開発過程を想像すると製品ラインと市場の特性、技術開発のシナリオがうまく組み合わせられており、これまでの自動車開発にイノベーションを起こすかもしれない。

これは恐らくノート・オーラの成功が大きいのかもしれない。過去にノートの高級バージョンノートメダリストという車種があったが、これはそれほど販売に貢献しなかった。

しかし、オーラはノートとほとんど部品を共有し、ノートメダリストと同じ位置づけにも拘らず、ノート同様の売り上げ台数を誇る。すなわち、コンパクトカーのカテゴリーにも高級車を望む顧客がいて、その顧客のニーズを組んだ「高級車としての車」を提供すれば売れるのである。

実際に、オーラはノート・オーラと呼ばれてもシートがスカイラインと同じだったり、インパネのデザインの高級感はメリハリがついており内装の仕立てが見ればわかる高級車である。

今回のキックスは、オーラ同様に「見ればわかるレクサス並みの高級感」の車である。ただし、価格は従来のキックスよりもわずかに高いだけの錯覚を受ける。これは、アメリカで先行発売されたキックスのイメージがあるからである。

先日の発表会を聞く限りにおいては、驚くことに価格を下げながらもアメリカのキックスよりも機能が向上している可能性がある。足回りはマルチリンクでないので乗り心地に影響があるかもしれないが、モーター駆動による細かい制御でその欠点を補っていると思われる。

すなわち、2000ccのエンジンと同等の出力を誇るモーター駆動とすることで、細かい制御を可能とし、エンジン車ではできなかった機能を活用する技術を生み出したのである。

あらかじめ高くても売れる市場で車を完成させて、日本で発売するために機能を同等以上にしてコストダウンする戦略は、これまでの自動車開発では見られなかった。さて、キックスはどれだけ売れるのか。デザインは悪くない。

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2026.06/19 燃焼時のドリップ防止技術(4)

残念ながらLOIに関するJISが存在していてもそこにはドリップが多い試料について測定するノウハウが書かれていない。属人的なテクニックを使ってでも測定する意味があるのか、と疑問を持たれるかもしれない。

JISには書かれていない測定法で測定された値に意味があるのか、と問われれば、LOIの考案された歴史を考慮すれば充分に意味がある、と答えたい。

LOIは本来科学的に扱いにくい火災という現象について、「燃焼」の科学的意味から考案された評価技術である。

ゆえに、この値をばらつきが小さくなるように測定するテクニックは、科学的にも重要である。むしろ偏差を一定になるように測定するテクニックこそ重要であると言える。

これは、電気抵抗を直流で測定する技術を考えていただければわかる。JISでは、一定電圧を一定時間印加してから測定する方法が書かれている。しかし、材料の中には緩和時間が長い特性を示す場合もあり、この時JIS法では材料の正確な抵抗を知ることができない。

あまりこのあたりを書くと、当方のコンサルティングにおける他社との差別化ナレッジを公開することになるのでここまでにするが、JISなどの規格は産業において品質管理するための便宜を考慮して制定されていることをご存知ない方が多い。

すなわち、品質管理を科学的に円滑に行うために各種規格が制定されており、科学の形式知を100%満たすようには制定されていない。換言すれば、形式知が存在しなくても工業規格が存在している事例が存在する。

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2026.06/18 日産の新型車発表会

昨日、日産の新型車キックスの発表会が午後13時からあり、WEB上で参加した。いろいろと暗いニュースが続いた日産自動車だが、昨日の発表会は、明るいニュースになるのではないか。

今回の新型車は、1年前にアメリカで発売された350万円以上する500万円前後の車種であり、この発表会まで様々な憶測が流れていた。しかし、発表を聞いて驚いた。

299万円からとアナウンスされ、価格に比較しそのレクサス並みの豪華さにびっくりした。おそらく従来のキックスよりも40万円前後の価格アップに抑えているのではないか。

オプションをフル装備しても400万円台で収まる。レクサスの同等車種LBXよりも50万円以上安い。しかし、内装も含め、LBXと同等以上の高級感である。また、アメリカで好評のデザインであり、スニーカーに似せたという後ろ姿はLBXよりも高級感がある。

昨日の発表会を聞く限り、少なくともLBXよりも良い車である。LBXはレクサスでありながら足回りは車軸式であり、試乗してみるとオーラよりもエンジン音が気になる場合がある。

昨日サスペンション等の詳細が発表されなかったので、日産のサイトで確認したら、この新型車も足回りは車軸式であり、アメリカで発売されているキックスのマルチリンクを採用していない。

これにはびっくりした。おそらくアメリカで発売されているキックスよりもかなりのコストダウン努力が成されている可能性があるが、発表会の映像からはそれがよくわからなかった。

ノートの高級版オーラは、シートがスカイラインと同等であり価格に比較し豪華である。パッケージのまとめ方がうまい、と言えるのだが、今回の全車ePowerでありながら2000ccのエンジンを積んだ車よりも50万円以上コストダウンしてきたのには驚かされる。

もっとも、車軸式とマルチリンクとは部品代で40万円以上の差があると言われているので、足回りでそのコストダウンを説明できるが、エンジン+モーターの組み合わせが、2000ccエンジンと同等のコストと捉えての話になる。

小型SUVの市場は、よく知られているように、日産ジュークがその奇抜なデザインで新たに形成された、と言われている。今回日産はレクサスLBXよりも100万円前後安い同等以上の価格の高級車を投入してきたのである。

オーラがその高級コンパクトというコンセプトで唯一無二の存在であると同様に、小型SUVの市場に高級SUVという新たなカテゴリーを提案してきたのだ。分かり易い提案である。

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2026.06/17 マネジメントとAI

マネジメントについて体系的に研究したのはドラッカーが初めてではないか。その後のマネジメントの教科書は、ドラッカーがベースになっている。


マネジメントは単なる仕事の手配でもなければ、人集めでもない。重要なのは、それにより、成果を上げることである。


これがよくわかっていない管理職や経営者が多い、とドラッカーが述べている。単なる情報伝達が中間管理職の仕事ではないのだ。


AIエージェントの性能向上が著しいが、今この産業革命を起こすかもしれないツールを充分に使いこなしている人はどれだけいるだろうか。


実は、AIエージェントを扱うにもマネジメントが重要である。また、マネジメント能力が無ければ、AIエージェントに成果を出させることができない。


対話形式でChatGPTを扱うようにCodexを扱っても大した自動化はできない。例えば、実験を行い、得られたデータを解析し、グラフを書かせるだけでなく考察までできるのが現在のAIエージェントの実力である。


しかし、その実力を活かすためには、マネジメント能力が要求される。そもそも仕事のフローが分かっていなければ、マネジメントができないことに気がついていない中間管理職が日本では多い。


あるいは、日本のスタッフは優秀なので、仕事など口先で進んで行くから、AIエージェントがあまり話題になっていないのかもしれない。

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2026.06/16 正しい問題

これだけ全国で熊の被害が報じられているのに、檻にかかった熊を山に解放したという。


「理由は、オリがシカとイノシシを捕獲するために設置されたもので、クマは誤って入っていただけだったため、法律上、捕獲できなかったからでした。」


と、ニュースには書かれていたが、その前日のニュースでは、熊が市街地に現れたことで騒ぎになっていた。騒ぎになっていたが、被害が出ていなかったので、熊を逃がしたという。


この一連の出来事の前に、殺人犯が名乗り出ても逮捕せず、改めて指名手配をかけたところ、自殺していた、という事件があった。


これらのニュースに違和感を感じるのだが、世の中にはそうでない人もいるので、これ以上書かない。自然保護は大切ですよ、事務手続きも手順が大切ですよ、とだけ書いて置く。これでいいのかなあ。

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2026.06/15 燃焼時のドリップ防止技術(3)

このLOI自動測定装置については、昨日の話以外に、科学という錦の御旗を振り回した結果、笑い話となるような実話は多い。そもそも、トランスサイエンスの問題を何が何でも科学で答えを出そうとする愚かさに、当時の多くの研究者は気がついていなかったようだ。


ただ不思議なのは、ASTMやUL規格のように欧米では経験知を活用した燃焼試験規格が当時生まれている。アメリカではトランスサイエンスが1970年代に叫ばれていたので、欧米では科学同様に非科学的な経験知も動員して問題を解こうとした機運があったのかもしれない。


マテリアルズインフォマティクスが定着した今の日本では、ようやく非科学の考え方も受け入れる下地ができてきた。その結果、50年前のお笑いのネタになるような研究開発は少なくなったと思う。


ゆえにLOIの測定が、燃焼時に発生する溶融物、ドリップでバラつく問題に対し臨機応変に対応することを批判する人はいないと思う。


このようにLOIでドリップが激しい時には、やや非科学的になるが、測定の工夫でばらつきを小さくできる。そして、高分子の燃えにくさについて、その測定値から序列を決めることが可能になる。

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2026.06/14 老人活躍社会

20世紀末から、「女性活躍社会」がスローガンとして掲げられ、各種の女性参画を促す努力が成され、今や女性の方が男性より優遇されていると思われるようなシーンも出て来た。


大学の女子枠などはその例かもしれない。大学では女子枠で入学した学生向けにレベルを下げて授業を行っている、などという由々しき陰口が聞こえてくる。


これが本当かどうか知らないが、理系の女子枠では、男性よりも女性受験者の試験の最低点が低いのは事実らしい。そこまでして女性を優遇する必要があるのかという疑問が出てくる。


最近のTVニュースで、老人の勤労意欲に対して労働環境が整っていないことが報じられるようになった。人口の構成比から老人参画社会を真剣に考えなければいけない時代である。


面白いのは30年ぐらい前まで老害が言われていたように思う。しかし、少子化長寿命で人口構成比が逆転し、非労働人口の方が多くなった。定年制度も無くしても良いのではないかと思う。すなわち、50歳から自由退職ができるような制度設計が好ましいように思う。


サラリーマンの出世競争は、50歳でほぼ確定するのではないか。当方が窓際になったのは51歳だったように思う。その時早期退職を決断したが、55歳に退職しようとしたら環境対応樹脂の開発を相談された。


これまでの技術も含め学会発表しても良いというので、2011年3月11日(金)を最終出社日に設定し、再生樹脂の開発を中国ローカル企業と行っている。


今の老人の大半は、70歳ぐらいまで元気である。但し個人差があり、一概に言えないが、80歳ぐらいまでは働けそうな人が多いのではないか。AIの進歩もあり、多少のボケをAIで補える可能性が出て来た。


ロボットの進化もあり、定年を65歳とするのはもったいないように思う。給与制度の見直しが必要かもしれないが、早期退職制度以外に生涯勤務制度を設けてはいかがだろうか。


50歳になった時に、55歳定年と定年を設けない勤務とに社員を分けるのである。55歳定年を選んだ社員には従来通りの給与を支給し、早期退職制度を選択することを義務付け、生涯勤務制度を選んだ社員には、一定額50歳から給与を減額するのである。


職能評価を実施している企業が多いと思われるが、70歳到達時に年収300万円程度になるよう50歳から減額するような給与設計にすれば、既存の給与制度を微調整するだけで対応できそうではないか。


また、社会保険制度もみなおしが必要で、厚生年金は50歳から会社負担を0とし、個人の支払額を増やすのである。サラリーマンの中には労働意欲が低い人がいるので、高齢者の再教育費用が発生するかもしれない。その時は弊社へご相談ください。

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2026.06/13 燃焼時のドリップ防止技術(2)

そもそも当時1000万円もかけてLOIを自動測定しようとした発想は、自動測定により人手によらず、再現性が上がると考えたところから生まれている。すなわち、LOIはばらつきが大きいので、測定を自動化すればそれが小さくなると期待したようだ。


燃焼という現象と高分子材料の均一性という特性を少し考えたならば、評価技術でばらつきが生まれるのは仕方がないことに気づく。ただし、LOIは手動で注意深く計測すれば、サンプルのばらつきが小さい時に偏差0.5未満の値を得ることも可能である。


すでに大学院生時代に近所の女子大の被服科でLOI装置を借りて実験していたので、LOIで生じるばらつきについてその原因も含め理解ができていた。偏差を0.25以下にするテクニックも存在する。


ところが、面白いことに自動化されたこの装置で計測すると、偏差が0.5以上になる時がある。詳細を省くが、これは着火からLOIの決定を全自動で行っているためである。


着火後の溶融物が、燃焼挙動に影響を与えた時の測定の工夫を機械による自動測定ではできないためである。今ならばAIで制御する、ということもできるかもしれないが、8ビットマイコンが登場したばかりの時代である。


ちなみに、着火した時に溶融が激しく生じたならば、おおよそのLOIを見積もって、その値近傍で評価する工夫が必要である。しかし、当時の自動化技術では、人間のこの融通性を再現することが不可能だった。


さらに、その仕様を誰が決めたのか知らないが、LOIの低い値から漸次酸素濃度を高めてゆく制御になっており、LOIが30以上の高い資料について、測定できない可能性があった。


このような仕組みだったので、溶融現象のばらつきの影響をうけて自動化装置ではLOIの偏差が大きく現れる。これに気づけば、手動で計測した方が良い、と普通の人なら考えるのではないか。しかし、科学を唯一の哲学として盲信的に信じていた研究者は、そのような考え方をするのは職人だと決めつけてきた。

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2026.06/12 燃焼時のドリップ防止技術(1)

火災が発生すれば、あらゆる有機高分子材料は燃焼する。不燃化は難しいが、燃えにくくすることは可能である。但し、燃えにくさの指標を科学的に決めるのは難しい。


何故なら、火災という現象は急激な酸化反応で進行するので、それを科学的に解明することが難しい。ただ、これだけの当たり前のことでも、50年ほど前は議論になり、科学的に技術を作り上げることができる、それを目指せ、と無茶苦茶なことを言っていたリーダーがいる。


アメリカでは、トランスサイエンスという概念が1970年代に生まれていたので、高分子の難燃化技術を科学の形式知でまとめ上げることは難しい、と割り切った考え方がこの分野でも生まれ、UL規格が生まれている。


それより少し前に、極限酸素指数法(LOI)という燃えにくさの尺度が提案されていても、UL規格をまとめ上げた保険会社は頭が良い。到底日本では考えつかない発想である。


LOIは、酸素と窒素の混合ガスの中で直立に立てたサンプルを上から着火し、継続燃焼できる最低限の酸素濃度を指数化した評価技術である。空気の酸素濃度は約21%なので、LOIが21以下のサンプルは空気中で燃焼し続ける。


LOIが21以上のサンプルは、空気中では酸素濃度が低いので、継続燃焼が難しく、自然に火が消える。これを自己消火性と呼んでいる。燃焼は急激な酸化反応なので、この視点では科学的評価法である、と思っているが、50年前LOIが他のMVSSとかASTMの燃焼試験法と整合性が無いという理由で非科学的と判断した研究者がいる。


当方がその部下となった時に、ホコリを被っていた自動LOI評価装置を改造し、手動で計測できるようにしたところ、叱られた。高分子難燃化研究を科学的に行うために必要と言っても意見がかみ合わなかった。

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2026.06/11 AIとデータ(5)

今AIを活用するときに、ChatGPTのように、対話型で利用する方法と、プログラムで活用する方法、AIエージェントを組み込んで利用する方法がある。いずれの場合にもExcelファイルからデータを取り込むときには工夫がいる。


プログラム言語がPythonであれば、モジュールを使ってExcelの表形式を理解の上読み込むことができる。ところが、他の2方法では、読み込めない場合が多い。


読み込める場合でもひと工夫が必要になる。AIでなくても大量の他人が作ったExcelファイルのデータを活用するときに苦労する。原因は、データを表形式に保存し、その形式が統一されていなかったり、関数で数値が埋め込まれていたり、様々なためである。


AIで実験データ読み込みを行う時にデータベースファイルが障害になる場合がある。仮にAIがデータを読み込めたとしても、メタデータと実験データの関係が明確に保存されていないと、これも障害になる。


10年以上前にFAIR原則が公開されたが、その後データベースに関しメタデータの扱いについての規格発表はない。このあたりについて、弊社では特許出願しており、ご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。

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