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2020.06/26 弊社の活動

弊社は、電子出版会社としてスタートしました。しかし、雨後の竹の子のごとく生まれた同業者の中で、最初に撤退しています。その後、大手も撤退し現在の状況に至っておりますが、弊社はコロナ禍を機会に新たな企画をスタートさせるべく、皆様のニーズを調査しております。

テレワークの浸透により、オンラインセミナーが注目を集めておりますが、弊社では一味異なる運営を目指し、知識労働者の学びの機会を社会に提供したいと努力しております。

つきましては、2時間オンラインセミナーにつきまして、セミナー開講日(曜日)と開講時間帯のアンケートご協力をお願いします。ご協力いただいた方には、新たにスタートしますセミナーにつきまして500円割引致します。

 

 

セミナー開講希望曜日

セミナー開講希望時間帯

希望する講演内容 

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2020.02/20 サーキュラーエコノミー(CE)

昨晩高分子同友会月例会で物質材料研究機構名誉研究員原田幸明氏の講演があった。タイトルは「ISO化されるサーキュラー・エコノミーの動向と資源効率・物質循環」である。

要点は以下である。

 

1.世界は資源効率を考慮した循環型社会へ向かっている。

2.1の流れの中でサーキュラーエコノミー(CE)の動きが欧州から

提案され国際標準化として進められようとしている。

3.CEは欧州で始まり、資源効率を高めることが可能とわかってきたので

Paas(Product as a Service)やシェアリングなどの「モノ」から「コト」

への転換とそれを支えるプラットフォームの形成の方向が見えてくるに

つれ、新しいビジネス形態としてグローバル展開され始めた。

4.日本では、「モノ」つくりの国であり、CEをどのようにとりこんでい

くのかが課題。

 

すなわち、リサイクルや天然資源の活用は過去の概念となり、欧州ではサーキュラーエコノミーという新たなパラダイムが動き始めている、そしてすでにISO化の動きまでも出始めた、ということだ。

 

講演者は金属材料関係の専門家で高分子材料の問題についてはそのような視点から考察されていたが、CEを考慮するとこれまでの材料技術についてその設計方針にも影響を受ける。

 

例えば混練プロセスに対する考え方である。カオス混合技術について高分子学会技術賞の推薦を受けたときに分子量低下とか材料の焼けなどと知ったかぶりの質問が飛び、結局技術賞を逃がしたが、このようなプロセシングにおける高分子材料の変化に対する研究テーマがアカデミアの重要テーマになるのではないか。

 

高分子の劣化に関して、アカデミアの出した結論は一次構造の変化だけである。実際のプロセスの中で劣化が起きない条件や、あるいは耐久試験において試験片の内部の高分子の酸化度合いなどに議論が至っていない。

 

力のある企業ではそのような実験をしているが、データは公開されず、結果として適当な知ったかぶり意見が技術賞の審査で通ったりする。迷惑なことだ。

 

高分子材料の成形体については金属材料と異なり、ダイレクトリユースやリマニュファクチュアリングは難しい。練り直し程度の作業がどうしても必要になる。その時に機能維持をしたまま混練ができるかどうかは重要である。

 

さらには、射出成型機を改良し、そこに簡単な混練機能を付加することも考えられる。例えばカオス混合装置と射出成型機との組み合わせだ。このようなアイデアを練り上げるためにもポリマーの混練り活用ハンドブックはためになるので弊社へ問い合わせていただきたい。

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2020.02/18 マテリアルズ・インフォマティクス(MI)

産業革命以降の技術開発を支えたのは科学であることを否定する人はいない。ただし、科学の方法が登場する以前から技術開発は行われており、それゆえ論理学をベースにしたパラダイムでその開発スピードが加速された、と科学の役割を捉えることができる。

 

このパラダイムについては、名探偵ホームズが愛読された時代が示すようにすぐに一般にも受け入れられ現代は科学全盛の時代である。

 

一方40年前に登場した刑事コロンボでは事件解決にホームズとは異なるパラダイムが存在することを示しただけでなく、物語の最初に犯人と事件の情報を視聴者にすべて示すという手法で、ホームズとは異なる事件解決のプロセスを楽しませてくれた。

 

実は、マテリアルズインフォマティクスは、この刑事コロンボの登場と同様に捉えると理解しやすい。

 

すなわちホームズはベーカー街221Bで仮説を設定して事件に臨むスタイルを特徴としたが、コロンボは泥臭く情報を集めて事件を解決した。

 

マテリアルズインフォマティクスによる材料設計では材料データベース(情報)が問題解決の最初に位置し、その後のデータ処理に雀の巣のような頭(コロンボは癖毛)ではなくコンピュータを用いるのだ。

 

その用い方も従来の仮説を検証するといったパラダイムと異なり、シミュレーションで機能を確認するというパラダイムとなっている。

 

3月31日開催のセミナーでは、マテリアルインフォマティクスを実務に導入するにあたり、簡便に利用できる多変量解析やタグチメソッドの概略を「わかりやすく」説明するとともに、それらを用いて材料設計を行ってきた演者の事例を中心にマテリアルズインフォマティクスにより開発効率が加速される実感を伝授する。

 

無機材料から有機材料まで実用化した経験から幾つかの事例を選び、材料技術者以外の方にも参考になるセミナーを目指す。詳しくはお問い合わせください。

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2019.12/01 情報通信5Gのセミナー

アルビントフラーの第三の波はあっというまに過去の著作となり、バブル崩壊から30年近くたった。そのような状況で5Gが注目を集めている。

この変化の時代に新材料の技術が求められており、来年にかけて招待講演を依頼されましたセミナーでその内容を公開してゆく。すでに取り組んでいるメーカーも注目していただきたい内容である。

各セミナーではテーマを明確に設定し解説するので、全部参加していただければ、今起きている材料技術のイノベーションを学べる。

まず、下記セミナーでは、情報通信の切り口で解説する。希望者は弊社へ問い合わせていただきたい。

開催日時:2019年12月6日(水)10:30~16:30
会  場:[東京・東陽町]江東区文化センター3階 第1、2研修室


*弊社へ申し込まれますと割引価格になります。

受 講 料:47,300円   ※ 資料・昼食付

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2019.11/25 情報通信分野の高分子材料

アルビントフラーの第三の波はあっというまに過去の著作となり、バブル崩壊から30年近くたった。そのような状況で5Gが注目を集めている。

 

この変化の時代に新材料の技術が求められており、来年にかけて招待講演を依頼されましたセミナーでその内容を公開してゆく。すでに取り組んでいるメーカーも注目していただきたい内容である。

 

各セミナーではテーマを明確に設定し解説するので、全部参加していただければ、今起きている材料技術のイノベーションを学べる。

 

まず、下記セミナーでは、情報通信の切り口で解説する。希望者は弊社へ問い合わせていただきたい。

 

開催日時:2019年11月27日(水)10:30~16:30
会  場:ちよだプラットフォームスクウェア ミーティングルーム B1F
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21  → 会場へのアクセス 
受 講 料:45,000円 + 税    ※ 資料・昼食付

*弊社へ申し込まれますと割引価格になります。

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2019.10/08 10月特別セミナー

消費税が上がった。このような場合に便乗値上げをするケースがあるという。弊社では新しい試みとして、税込み15,000円で3.5時間のセミナーを10月度に企画し募集している。

10月だけの試みで、10月15日が締め切りである。セミナーの開催日も参加者の希望で設定する、という大胆な企画だ。

9月末から募集して10月開催なので人が集まるかどうか、という問題があるが、消費税が上がる時に、値下げをする会社があってもよい、と急遽募集している。

30年の技術者生活で身に着けた技術の伝承を心掛けて、セミナー会社の企画に応えてきた。今回募集をかけているテーマ以外に5Gや二次電池、パワー半導体、フィルム押出技術、フィルムの表面処理技術、信頼性工学、問題解決法、カップリング剤の使い方、ポリウレタン発泡体技術、電気粘性流体、高分子の破壊と耐久性などがあるが、今回これらのテーマについては募集していない。

募集しているのは、

1.高分子の難燃化技術

2.高分子の帯電防止技術

3.ブリードアウト

4.成形トラブルから見た混練技術

5.シリコーンゴム・樹脂技術

である。

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2019.10/04 材料技術(4)

今月特別にセミナー(info@kensyu323.com へ問い合わせてほしい)のテーマとしてとりあげた高分子の難燃化技術や混練技術、帯電防止技術は、形式知で説明しにくい分野の技術である。どうしても経験知を用いることになる。

 

この時大切なのは、経験知も形式知同様に体系化されているとわかりやすいだけでなく、現場で活用した時に新たな経験知を生み出せる可能性がある。

 

注意しなければいけないのは、経験知と形式知をごちゃ混ぜにして解説するやりかたである。市販されている教科書にはこのようなものが多い。

 

混練の教科書の中には、分配混合と分散混合で巧みに解説し、科学で完璧に説明できない現象について、すでに自明となった現象として解説している場合がある。

 

このような状況のため、中間転写ベルトのテーマを引き継いだ時に、外部のコンパウンドメーカーの技術者と口論になっている。その時当方は、専門家と称する技術者に素人と決めつけられたので、外部のコンパウンドメーカーの考え方に対抗して、当方の経験知に基づくコンパウンド工場を建設している。

 

結果は、当方の考え方が正しかったわけだが、コンパウンドメーカーの技術者が主張していた内容は、教科書的には間違っていなかった。ただし、その知識の体系では製品を作ることができない形式知だった。いくら論理が正しくとも製品を生み出せなければ使い物にならない。

 

この点に関し、ドラッカーは、「優秀な人が仕事ができないのは、間違った問題を正しく解くからだ。」と指摘している。日本を代表する研究所が設立した会社の技術者だから優秀な人である。間違った混練技術でコンパウンドを開発しようとしているので開発できなかったのである。

 

材料技術ではこのようなケースは多い。例えば20世紀の教科書に載っていた混合則は、当方が日本化学会で初めてパーコレーションを用いて現象を考察して以来、今では多くの現象がパーコレーションで解説されるようになった。知識は、現場で鍛え上げなければいけない。

 

そのためには、有機材料から無機材料まで幅広く材料に関する形式知の引き出しを整えておくと便利である。おかしな引き出しは空っぽにして、そこに経験知のファイルをぶら下げていくような知識の整理方法は一つのコツである。

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2019.10/03 材料技術(3)

難燃性ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体や難燃性ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体は、最先端の技術だった。

 

当時、ホスファゼンが市販されていなかったという理由だけでなく、ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の工場試作に世界で初めて成功(すなわち量産可能)している。

 

また、燃焼時にガラスを生成し高分子を難燃化する技術に至っては、リン酸エステル系難燃剤の開発競争が激化していた時代であり、リン酸エステル系難燃剤の2世代後の難燃化技術という位置づけとなる。

 

その数年後各社から次世代技術と称された臭素系難燃剤の上市が始まったことを思うと、会社としては難燃化コンセプトも含め機密扱いにすべき先端技術だった。

 

しかし、上司が高分子学会の崩壊と安定化研究会の委員を担当していた、という理由で、すんなり学会発表を命じられている。当方から学会発表を申し出たわけではない。これはありがたかったが、技術の内容を経営者が理解できていたなら企業としては大問題となったはずだ。

 

難燃性発泡体技術の展開として行われたフェノール樹脂天井材の開発テーマでは、発泡体製造プロセス装置の開発を行っている。ただ開発したばかりの発泡機を研究として使う間もなく、すぐ工場へ設置されたのには驚いた。

 

市場において難燃性発泡体の競争が激化したためであるが、新入社員研修でQCを重視した仕事の進め方を習ったのに乱暴な開発に巻き込まれ憤慨した。

 

しかし、材料技術とはコンセプトが正しければ、ばくちの様な開発でも成功するものであることをこの時学習している。フェノール樹脂発泡体では、発泡の均一性が力学物性に影響しそれが難燃性能に効くため、発泡装置が重要である。

 

そこで発泡装置を最初に開発している。処方の完成度について不十分な状態だったが、機械で発泡させたら、不十分な完成度の処方でも仕様を満たす発泡体ができた。

 

この学習成果は、QMSを導入していた写真会社でカオス混合のプラントを開発するときに生かされた。単身赴任したばかりで、企画も認められていない技術について研究開発と工場建設をコンカレントに行っている。

 

QMSに反しないようにDRを巧みに行い、規定の段階のDRを消化したところで工場が立ち上がっている。これは開発に関係した部署が協力してくれたおかげである。

 

今から思えば、部下になったばかりの新参者の提案に対して、センター長は8000万円の決済を「よくぞ思い切って決断してくれた」。

 

但し、30年前に獲得した材料技術の応用であり、発案者の当方は少し不安だった。しかし、センター長が投資をしようと言われたので、80,000円もする混練の技術書を3冊ほど自腹で購入し勉強しなおした。その結果、30年前の知識から見ると、世間の形式知が間違った方向へ発展していることに気がついた。

 

当方の経験知が正しいのか、合計24万円の書物に書かれた形式知が正しいのか、丁半ばくちを打つような工場建設だったが、工場から出荷されたコンパウンドの性能は、外部の形式知で開発されたコンパウンドの性能をはるかに超えるものであり、そのばくちに勝ったのである。

 

そこで10年以上経過したのでこの経験をもとに最近新たな考え方の混練に関する本を書くことになり、この12月にはゴムタイムズ社から発売される。

 

また、10月度の特別廉価セミナーでもこの混練技術の講演を15,000円で予定しているので問い合わせていただきたい。分配混合だの分散混合だの考える前に、混練を進める力をよく考え、プロセスを設計することが重要である。

 

市販されている本にはこのような考え方は書かれていないが、3ケ月で量産工場が無事立ち上がったことから、この考え方の正しいことが実証された。

 

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2019.10/02 材料技術(2)

タイヤの軽量化因子探索では、多変量解析の手法をドロ縄式で勉強している。統計手法のマスターから独自のタグチメソッドもどき手法の発明に至る知識獲得がこの時できたので思い出深いテーマとなった。

 

材料技術におけるコンピューターの役割を体験し、これが動機となり登場したばかりのMZ80Kを購入した。そして、テープベースで動く多変量解析プログラムをS-BASICで、その後F-DOSベースのHu-BASICで作成している。

 

このHu-BASICはゲームのハドソン社が設立されたばかりの頃に開発されたプログラム言語である。このシステムで計算した時に5000件程度のデータならば一日で処理できたので、タイムシェアリングでいつ計算結果が出てくるのかわからない3033より便利だった。

 

出勤前にコンピューターを走らせて、昼休みに独身寮に様子を見に行くと計算が終わっていることもあった。

 

MZ80Kは個人で購入し、一年後にはF-DOSを導入している。当時のお金で80万円前後会社の仕事のために投資したことになる。

 

このMZ80Kを用いて、ポリウレタンの熱分解に関する反応速度論や、難燃化因子に関する多変量解析、フェノール樹脂発泡体を用いた天井材開発などで成果を出した。

 

「自分で買ったら」と言っていた上司に、最初の成果である多変量解析で処理したLOI予測式を自慢げに説明したら絶句していた。この驚きの後の沈黙という上司の態度に、説明をした後に後悔の念が出てきた。

 

ただ、サービス残業が常態化していると分かっていても残業代20時間制限をミーティング時に部下へ淡々と説明していた上司だから、沈黙の意味は他にあったのかもしれない。

 

当時、材料技術におけるコンピューターの重要性をこの上司へ提案しているが、「それほど便利なものなら自費で購入したら」とあっさり言われ、採用されなかった。この一言により自前で購入したのだが、それで成果を出しても、その価値がうまく伝わらない時代だった。

 

残業代が無かったことよりも深刻だったのは、ポリウレタン発泡体やフェノール樹脂発泡体の業務を遂行するために、シリコーン界面活性剤の知識が重要であるにもかかわらず、この知識獲得に自腹を切らなければならなかったことである。

 

科学文献調査は図書室の女性が親切にサービスしてくれたので、仕事を進めるうえでの形式知獲得には不自由しなかった。しかし、経験知については外部の技術セミナーの活用が必須だ、とこの上司から教えられていた。

 

上司の指導に従い、セミナー会社で企画されたシリコーンに関するセミナーに参加したいと願い出たら、それほど行きたいなら年休をとっていってこい、という許可が出たのである。手取り10万円程度の時代に30,000円の支出は厳しかった。

 

コンピューターの購入も、セミナー参加費も自腹となったが、これはこれである意味「よい上司だった」と今は感謝している。

 

ガラス生成の難燃化企画を始末書に書くことを許可してくれたことに始まり、無機材質研究所留学に至るまで当方の希望をほとんどこの上司は受け入れてくれた。唯一の不満は、半期ごとに課内の誰もが認める成果を出していても良い査定をつけてくれなかったことだけである。

 

セミナーやPCその他も含め、この上司の下では年収300万円も満たない駆け出しの時代に、年間100万円ちかく知識獲得のためにお金を使っていた。残業代も無かったので、生活は苦しく結婚などできる状態ではなかった。成果を出しても評価されない不満はあったが、学ぶ意欲がそれに勝っていた。

 

10月度の特別セミナーでは、高分子の難燃化や混練技術だけでなく、当時から今日まで勉強してきたシリコーンのセミナーも15,000円で開講している。当時のセミナー代の半額である。さらに当時のセミナーよりも経験知の中身は2倍以上濃い。

 

実は、大学4年時にトリメチルシリルグリニヤ試薬を用いてジケテンを開環し、テルペノイド前駆体を合成した経験がある。そしてこの前駆体を用いてシクラメンの香りを合成し、その成果はアメリカ化学会誌(J.A.C.S.)に掲載された。

 

有機合成は学生時代、成績も良かったので自信がある分野だ。有機合成の講座の教授に勧められて大学院に無償で進学しているが、この教授が退官し講座が閉鎖されるということになった。大学へのささやかな反旗のつもりで受験時に希望先としていなかった、定員満杯の無機の講座へ進学している(注)。

 

この選択が社会人になってから材料技術者として自己実現を目指すときに役立った。材料技術者は幅広く物質に関する形式知を獲得していたほうが企業で活動しやすい。

 

(注)名古屋大学では専門に対する教育的配慮ではなく、形式的にその講座に進学予定であった学生を一人ほかの講座へ異動させている。成績順というルールがあったからだ。当方が進学したことで、はじき出された同級生には悪いことをした、と今は反省している。当時は、このような出来事のため、一心不乱に研究し、2年間に3報論文を執筆し、就職してからも2報ほどこの時の研究成果をまとめている。同僚が、学生気分で仕事をやるな、と言われたが、当方は学生気分で仕事をしていても、言われたことが無い。団塊の世代にとって学生気分とは遊び半分ぐらいの気持ちを指すのかもしれないが、2度のオイルショックを経験し、就職難の世代は、当方の世代の学生は皆一生懸命勉強していた。ゆえに当方の世代で学生気分とは一生懸命研究に打ち込む姿を指す。

 

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2019.10/01 材料技術(1)

ゴム会社で最初に担当した開発テーマは、タイヤの軽量化因子探索だった。新入社員研修のプログラムの一つとして担当した。現在流行のビッグデータの扱いをこの時学んだ(驚いたのはIBMの大型コンピューターが2台あり、そのうち3033と名付けられたマシンを動かして計算している。)。

 

 

研究所に配属されて樹脂補強ゴム(特許出願済み)を用いた防振ゴム開発を担当した。このテーマでは混練の神様と呼んでも良いようなレオロジーの専門家が指導社員で、毎朝午前中は座学で厳しく指導され知識を伝授された。

 

 

この時の知識を基にコニカミノルタの中間転写ベルト用コンパウンド工場をたった3ケ月で立ち上げることができた。しかもその工場では,指導社員からその実現方法が宿題として出されていたカオス混合プロセスが採用され、10年以上何もトラブルなく稼働している。

 

 

指導社員は、当方が無機材料の講座を卒業した修士という理由で高分子知識が0ベースという前提で指導されたそうだ。当方もそれに甘えて真剣に勉強するとともに、指導社員の熱意に応えるために一年のテーマを3ケ月で仕上げた。

 

 

これはこれで少し問題となったらしい。神様のような指導社員から観音様のような美人の指導社員へ変更となった。そして新たなテーマであるポリウレタンの難燃化技術について提案事項があれば、と問われたので、ホスファゼン変性ポリウレタン(ホスファゼン関係について多数ゴム会社で特許出願済み)の提案を行っている。

 

 

この顛末は以前ここで書いたように、工場実験を成功させたために始末書を書いている。その始末書に、燃焼時ガラスを生成して高分子を難燃化する技術提案(特許出願済み。この技術の展開アイデアとして高純度SiC合成技術がある)を行い、同時並行で進められた溶融型難燃化技術とともに工場実験に成功し実用化している。

 

 

2年半という短時間に混練技術と難燃化技術という科学の知識だけでは問題解決できない技術テーマを解決するスキルと普及が始まりかけた多変量解析スキルを習得することができた。

 

 

高分子学会や日本化学会はじめセミナー会社も含めて現在でも招待講演の依頼件数が多いのは、この二つのテーマ、混練と高分子の難燃化に関するものである。

 

 

10月中に開催する特別参加費15,000円(消費税込み)という低価格の特別セミナーにもこの二つのテーマは入っているのでご興味のある方は申し込んでいただきたい。

 

経験知の伝承は難しい。科学が急速に進歩し普及していったのは、経験知を形式知に変換できる可能性と伝承の仕組みをマニュアル化できたからだが、材料技術については、いまだにすべての経験知を形式知に変換できたわけではない。

<10月度特別セミナー:参加費15,000円>

1.高分子の難燃化技術

2.高分子の帯電防止技術

3.ブリードアウト

4.成形トラブルから見た混練技術

5.シリコーンゴム・樹脂技術

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