活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2022.07/02 疎水性材料のコロイド

物質には水に溶解する材料と水に溶けない、あるいは安定に分散しない材料が存在する。前者については、肉眼では溶けているように見えても微粒子として安定に水に分散しているだけの状態も含まれるが、この状態の水分散状態の物質をコロイドと呼ぶ。

また、前者のように水に溶解するか、微粒子状態で安定に分散できる物質を親水性物質と呼ぶ。一方後者のような物質は疎水性物質と呼ばれる。

疎水性の油を水に分散したい時には、界面活性剤を用いるが、界面活性剤の構造は、親水性部分と疎水性部分でできており、界面活性剤を水に分散すると、親水性部分を水側に、疎水性部分は特定の量で球状に凝集し、安定化する。

凝集した疎水性部分には水を含まない空間が形成されるが、それはミセルと呼ばれる。ミセルには疎水性物質を溶かし込む能力あるいは機能が存在する。

また、界面活性剤の親水性部分と疎水性部分の比率をHLB値とよび、これは界面活性剤の特徴を示す重要なパラメーターである。(続く)

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

pagetop

2022.07/01 タグチメソッドの重要性

研究開発において実験は不可欠である。40年以上前、企業でもその実験方法は科学の方法により行われていた。しかし、30年ほど前から日本でタグチメソッドが普及し始めた。


タグチメソッドでは、科学の方法と異なる実験方法が行われる。科学では仮説の真偽を確認するための実験が行われるが、タグチメソッドでは基本機能のロバストを改善するための実験を行う。


技術開発とは新しい付加価値のある機能を創り出す活動であるが、かつての企業ではアカデミアのような研究が行われ、新しい機能は科学の研究過程で発見でもない限り、生まれなかった。


田口先生は、タグチメソッドを用いて実験を行うにあたり、基本機能として何を選ぶのかは技術者の責任とした。


ここで問題となるのが技術者の責任をどのように果たすのか、という難しい目標である。科学の方法では仮説の真偽しか見出せない。基本機能を見出す実験は技術開発によってのみ可能となる。


ところが小学校から社会に出るまでそのような実験方法を訓練されてこなかった。ただし、技術者を指向している人々により、それは密かに行われていたのだが、科学の方法を唯一とする企業では、それを否定したり禁止するところもあった。


当方はその方法を使用し、電気粘性流体の耐久性問題や高性能化のための基本機能を技術により開発したところ、会議前になるとFDを壊されるなどの妨害を受けるようなひどい目にあっている(注)。かつては科学の方法以外を許さないような企業研究所もあった。


そのような研究所でも当方は真摯に技術開発を指向し、ポリウレタンの新しい難燃化技術や難燃性天井材、半導体用高純度SiCの開発、傾斜機能粉体を用いた高性能高耐久電気粘性流体の開発など新しい機能を備えた技術を生み出している。


また、タグチメソッドに類似の実験方法、基本機能の感度最大の条件を見出す方法まで生み出したが、機能を重視した実験を行えば自然にその方法をだれでも指向するはずだ。


田口先生にはこの方法が感度重視の方法である、と褒めていただいたのだが、信頼性工学の視点からは好ましくなく、感度ではなくロバストを重視するのが正しい、とご指導を受けることになった。


(注)当方は上司の指示により、学会活動も新入社員時代から行っている。ホスファゼン変性ポリウレタンフォームは研究として高い評価を受けている。この研究をもとに機能に着目しホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームを開発実用化した。さらにこの機能を使い高純度SiCの新合成法を生み出し、この反応の速度論的研究を行い学位を取得している。科学の研究の方法は小学校から訓練されてきた方法であり、誰でもできるが、技術の方法は訓練が必要である。7月には1日でわかるタグチメソッドセミナーを企画しているので興味のあるかたは参加していただきたい。

カテゴリー : 一般 学会講習会情報

pagetop

2022.06/30 コンパウンドの電気特性

昨日からの続きとなるが、コンパウンドの電気特性と成形体の電気特性を一致させると簡単に言うことができても、それを実行しようとすると大変高い技術が要求される。


絶縁体高分子を半導体に変性するために導電性物質を絶縁体高分子に分散する必要があるが、その時にパーコレーション転移という現象が発生する。


コロナウィルスの感染メカニズムでポピュラーになったが、連鎖状態であるクラスターを制御しなければパーコレーション転移を安定化できない。


ただし、詳細を省略するが、コンパウンド段階でパーコレーション転移を制御できても、成形段階でその再現ができなければ、コンパウンド段階の電気特性を成形段階で再現できない。


そのため、コンパウンド段階におけるパーコレーションを目的とした設計通りの値に制御できているかどうか、品質管理する必要がある。評価方法も含め、詳細は弊社に問い合わせていただきたい。ここでは書けない高度な技術が必要なのだ。

カテゴリー : 電気/電子材料 高分子

pagetop

2022.06/29 半導体ベルトのコンパウンド

高級カラー複写機には、YMCK4色の感光体に記録されたトナー画像を紙に転写する前に一か所に集める部品、中間転写ベルトが使われている。


コストダウンのため安価なレーザーカラープリンターではそれを使わず直接紙に転写するタイプ、直接転写方式も存在するが、トナーを静電気で付着移動させながら情報記録を行うシステムなので、静電気の特性を管理できない紙に直接転写する方式はあくまでもコストダウンの手法である。


プリンター設計で画像の美しさに配慮すると、紙に直接転写する方式ではなく、電気特性の均一性に優れた中間転写ベルトに一度トナー画像を形成させてから紙に転写する方式が優れているのだが、一工程の部品が増えるのでコストが高くなる。


それでも低価格プリンターに中間転写方式を用いる良心的なメーカーがあるが、これは低コストで中間転写ベルトを製造できる技術力があるからだ。


さて、この中間転写ベルトは半導体コンパウンドを用いて押出成形されるのだが、コンパウンド段階とベルト段階で電気特性が一致していることが好ましい。


好ましい、と表現している理由は、そうでなくても、すなわちコンパウンドと中間転写ベルトとの電気特性が一致していなくても、押出成形段階で調整する方法もあるが、押出成形というプロセシングの特徴を考慮すると避けた方が良い。(続く)

カテゴリー : 一般 高分子

pagetop

2022.06/28 PPS摺動部材

摺動部材でなくても良いのだが、脆いPPSの意外な用途として、ベアリングとか中間転写ベルトのような動的部品がある。いずれも特許が出ており、脆い材料をどのように使用しているのか参考になる。


例えば中間転写ベルトでは、ナイロンとの複合化で高靭性を実現し動的部品に使用可能としている。また、トナーの清掃にブレードを用いても滑りやすく摺動部材としても使用可能な表面性である。


摺動部材としては、PPSを繊維化して用いる事例も特許出願されており、PPSが脆い、というイメージでアイデアを出そうとするとこのような技術は出てこない。


脆いPPSの靭性を高める技術開発は古くから行われているが、ナイロンの添加にしてもTgが下がる問題があった。この問題の解決にオリゴマーが有効であり、それを活用した特許出願を弊社は行っている。


この技術の優れているところは、PPSの結晶成長も抑制する効果があるようで、200℃の雰囲気に長時間放置しても強度低下がわずかである。未変性のPPSでは結晶成長のため、靭性が下がり強度低下する。


PPSの問題はTgが低い点だが、これはFRP化することによりTgよりも高い温度での使用が可能となる。炭素繊維との複合線材は実用化された。


PPSのFRPであれば、高温度まで耐久出来る摺動部材が可能となる。弊社の特許は現在審査請求中であるが、この技術を活用したいと考えておられるところに売却しても良いので問い合わせていただきたい。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

pagetop

2022.06/27 コンパウンドの評価

数年前、コンパウンドの品質評価データに捏造があり、某社の社長が頭を下げた。当時このほかに3件ほど品質データの捏造事件があったが、それらで何か製品の事故があった話を聞かない。


面白いのは、社長の謝罪記者会見の直後に、トヨタ自動車から部品について品質を見直したところ問題が無かったので捏造の影響なし、という談話を出した。その後他の自動車メーカーも同じような声明を出している。


冷静に考えると、ユーザーへの配慮と思われるこの声明はおかしな話であるが、高分子材料ではありうる話である。すなわち、コンパウンド段階で品質に問題があったとしても、射出成形体の機能でその問題が現れないことがあるためだ。


逆に、コンパウンド段階でテスト成形を行い問題が無くても、顧客の射出成形で問題が発生することがある。当方のセミナーではこのような問題についての解析事例も公開している。


公開しているのは、中国ローカル企業の体験であり、またデータは主成分分析により加工して説明している。高分子材料では、コンパウンド段階の評価と、射出成形体における評価とが合わないことはしばしばある。


ゆえに中間転写ベルト用コンパウンド工場を立ち上げたときには、タグチメソッドのSN比をはじめとして、様々な評価をコンパウンドに対して行い、押出成形体の物性との対比をして品質維持に努めるとともにその問題を考えるためのデータを収集した。


半年ほど6項目の評価を続け、コンパウンド及び成形体の品質が十分に安定していることを確認したので、1年後にはコンパウンドの品質評価をすべて撤廃している。このあたりの品質管理方法についてはご指導可能なのでコンパウンド評価で悩まれている方はご相談ください。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

pagetop

2022.06/26 何とかならないか「ちむどんどん」

NHKの朝ドラは黒島結菜主演にもかかわらず視聴率が低迷しているという。主演以外の出演俳優も文句ないが、それでも視聴率が低迷する理由は、シナリオが今一つだからである。


黒島結菜は沖縄出身の若手のホープであり、「いだてん」以来注目していた。以前の朝ドラ「スカーレット」では年齢からは難しい役どころをそつなくこなしていた。今の朝ドラにおける演技にも問題があるわけではない。


前作「カムカムエブリボディー」が、小気味よい展開でストーリーも飽きの来ない流れだったために、今回の朝ドラのストーリー展開にはがっかりさせられた。


この原因の一つはストーリーが月並みで分かり易いためではないか。誰でも理解できるドラマで、1-2回見落としても想定通りの展開をするので困ることは無い。1週間見落としても大丈夫だ。


ただし、これが視聴者に老人が増えてきた配慮だとしたら、NHKは老人をバカにしている。以前林真理子氏はどこかの記事でこのドラマを面白くないと痛烈に評価していたが、先日見つけた記事ではなぜか褒めていた。


主役が日大出身ゆえに忖度しているのかもしれない。まだ、ドラマの内容は褒められるレベルではないので、甘い忖度としかその記事を読めなかったが理事長役、大丈夫か?

カテゴリー : 一般

pagetop

2022.06/25 プラスチック・ゴムの耐久性寿命予測

2022年6月30日(木)10時30分から、表題のWEBセミナーがCMCリサーチ主催で開催されます。弊社へ受講申し込みされますと10%割引とさせていただきます。お問い合わせください。


アーレニウスプロットによる寿命予測とその問題についてセミナーで解説するとともに、この時間温度換算則で失敗した事例を基に、その防止法まで解説します。

カテゴリー : 一般 学会講習会情報

pagetop

2022.06/24 環境問題

2015年に海洋ゴミ問題がクローズアップされてから、「脱プラスチック」が合言葉となった。しかし、材料の一専門家の立場から脱プラスチックは不可能であることを申し上げたい。


正しい問題は、プラスチックごみを海などの自然に放置しないようにするにはどうしたらよいのか、である。日本の環境省は、3Rにつぐ4Rとして環境問題を扱っている書籍に書かれた「Refuse」ではなく「Renewable」をこの4月施行された法律とともに提案している。


リサイクルについては、「水平リサイクル」が今後力を入れるように企業へ求められる可能性があるが、問題は、2000年前後から施行されてきた法律との整合性である。


実は、ゴミ問題についてこの4月施行された法律の目指している方向は家電リサイクル法に近い。しかし、家電リサイクル法は業界団体の反対にあい、白物4家電に絞られた背景がある。


その結果、家電リサイクル法以外の各種リサイクル法は自治体への負担を強いてきた。しかし、この4月施行された法律では、水平リサイクルを実施した場合の企業への優遇措置がやんわりと記述されている。


すなわちこれまでのリサイクル法と少し方向が変わってきたのである。今後環境関連で立法化される法律ではグローバル標準である企業の責任を問うような内容になる可能性がある。


これにいち早く対応したのがトヨタである。これまでのメーカーの販売システムを見直し、「モノを売らないメーカー」を掲げ、モノを売らないからゴミを社会に出さない、と意思表示している。


また、このコンセプトを環境問題に対応する戦略だけでなく、企業全体の戦略として組み上げられている点がすごいのだ。そもそも環境問題は、企業活動の戦略の中に組み入れられない限り、コストアップにつながる可能性が高い。


メーカーとして今後どのような戦略を採ったらよいのかお困りの企業はご相談ください。WEB会議によるご相談であれば、格安サービスで対応しております。また、環境問題のセミナーもセミナー会社からの依頼で随時開催しております。

カテゴリー : 一般

pagetop

2022.06/23 アイデアの捻出法セミナー

表題のセミナーを7月中旬以降開催したいと準備しています。希望者は受講候補日を3コマほど記入し、弊社へ問い合わせていただきたい。


そもそもアイデアをどのように出したらよいのか、というのは誰しも知りたいのではないか。当方も学生時代その方面の書籍を購入したりした。


また、当時友人どおしで酒を飲みながら話し合ったこともある。面白いのは、皆閃いた瞬間の体験を持っていた。しかし、それをどのようにコントロールしたらよいのかは結論が出なかった。


ヤマカンあるいは霊感のようにアイデアが閃くことは確かにあるが、本セミナーはそのような怪しいことを説明するつもりはない。あくまでも誰でもできるコツである。


このアイデア捻出法はコーチングにも役立つ。コーチングセミナーも準備できるので希望者は問い合わせていただきたい。


弊社では、ブリヂストンとコニカミノルタにおける30年間のセラミックスから高分子に至るまであらゆる材料開発で学会の受賞経験があり、世間で認められた形式知を基盤とし幅広い経験知を伝授いたします。


また、WEBミーティングになりますが格安の費用で技術相談にも応じております。また交通費と日当をお支払いいただければ、地球上どこへでも訪問指導にお伺いしますのでお問い合わせください。ご契約が必要な場合には弊社顧問弁護士によるご契約書の作成も致します。

カテゴリー : 一般

pagetop