当方のノウハウでさらに社会に貢献しようと形式知の部分について学会活動も始めました。経験知につきましては、トラブル解析の実務について概略をまとめてみましたのでご活用ください。今後高分子材料の寿命耐久性評価法や破壊に対する考え方についてもまとめる予定でいます。また、セミナーも皆さんのリクエストにより行ってゆきますのでご相談ください。
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趣味を読書と答える人がいるが、読書は常識である。それでも趣味として答えたい人はジャンルを就職の面接では答えるようにしないと、常識を疑われる。
もっとも40年以上前の一流会社の研究所管理職でも「第三の波」を自前で購入せず、部下から借りて読んでいる人がいたので、当方の読書が常識、という考え方が誤っているかもしれない。
いくらインターネットが普及したと言っても読書はすべきである。今は電子ブックという便利な本がある。しかし、感動した本は書棚に並べておきたい。当方の書棚にはドラッカー本が多数並んでいる。
さて、「第三の波」を部下から借りて読んだ上司は、まだ良い方で、あれだけ騒がれたにも拘らず、NHKの特番を見たから十分と言っていた管理職もいた。その程度でも研究所の管理職が務まる、と思ってはいけない。
DXが収まってきた現代から、このような管理職の存在を考えてみると、10年後にバブルが崩壊し、その後新しい芽が日本からあまり生まれてこなかった原因が見えてくる。
読書が何故大切なのか、を今更ここで述べるつもりはないが、理系の技術者で読書をしない人が多いのは昔からであるが、今は当時よりも、さらに本を読まなくなっているのではないか。
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アルビントフラーの「第三の波」が日本で出版されたのは1982年である。NHKテレビでも特番が組まれ、ほぼ世界中でこの本がヒットしている。
面白いのは、それだけ世間が騒いでいても自前で本を買わない管理職がいた、という真実である。部下の3倍以上の年収がありながら、当方に本を貸して欲しいと言ってきた管理職がいた。
80万円のローンを組ませパソコンを自費で購入させた管理職である。それでも研究所の管理職ではエリートで部長まで昇進している。当方は、ドラッカーの著書は当たり前に読んでおり、デッドライン2000年など当時話題にならなかったが、時代を知るには重要な本をおおよそ読んでいた。
読んでいた、というよりもセラミックスフィーバーはじめ時代の転換点である出来事が日本で起きていたのだ。そして「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という米人による日本をほめちぎった著書のヒット後にバブルがはじけた。
そのとき、当方はコンピューターサイエンスを用いて6年間解けなかった問題を一晩で解いたためにFDを壊されるなど妨害を受け、住友金属工業とのJVが立ち上がったのを確認して、ゴム会社の研究所から写真会社へ転職していた。
まさに激動の40年間だったが、DXの末期の現代において、Pythonを知らない技術者は、「第三の波」を借りて読んだ管理職よりも意識が低いかもしれない。エクセルにも搭載された。
弊社では実務にPythonを適用するノウハウをセミナーで公開している。巷の無料セミナーと異なるのは、実務の事例を紹介している点であり、今タグチメソッドの解析プログラムを生成するプログラムのβ版を無料で配布している。お問い合わせください。タグチメソッドはPythonで瞬時に解析する時代です。
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デジタルトランスフォーメーションをDXと呼ぶようになったのはいつからか知らないが、レコードがCD化されたのが1970年代であり、これが日常のDXの始まりのような気がする。
その後マイコンが普及し、ゲーム機が溢れ、16ビットのPC9801が登場し、ワープロ一太郎がヒットすると、OA化が加速した。
ロータス123には簡単なマクロ機能が搭載されており、自動化もできるようになり、プログラミングが身近になった。
Cが普及していても一般のプログラミング言語はロータス123、という時代が、ウィンドウズ95の発売と同時に大きく変わった。
ワープロから表計算ソフトまで全てマイクロソフト社の製品となり、一部のプログラミング言語がサードパーティーだった時代から、32ビットが当たり前となってきたころから、プログラミング言語すべてがマイクロソフト社製となった。
ところが2010年ごろからPythonのブームが起き、その後第三次AIブームとなると、プログラミング言語はPythonが常識となり、技術者が当然のようにサクサクとプログラミングに励むようになった。
OSを制覇すれば、PC上の資産すべてを独占できるのか、と思われたのもつかのま、新しい時代が始まったのである。40年以上前にはパソコンなど知らなくても技術者がつとまったが、いまやパソコンを意識することなく空気のように感じて、技術者は問題解決にプログラミング言語を操る時代になった。
Pythonを技術開発でどのように使うのか、などと言っているような技術者はもう時代遅れである。50年近く前には、OA推進委員長になってもパソコンを使ってOA化することを想像できなかった管理職がいた。
そんな管理職でも1000万円以上の年収を稼げた時代で、大学院卒の初任給は10万円だった。OA推進委員長は、本当にパソコンが必要ならば自分で買えと言って薄給の新入社員に80万円のローンを組ませパソコンを買わせている。OAの意味さえ分からなくても管理職ができた時代が50年近く前である。
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故ドラッカーは、二つの世界を持て、と提言していた。すなわち知識労働者の寿命が延びた結果、現在の退職年齢では、老後の時間が長すぎるからである。
趣味の世界は二つ目として有意義であるが、どのような趣味を持つかが問題である。スポーツが趣味でも70を過ぎるといくら健康な人でも心臓を気にしなければいけない。
当方の提案は、死ぬ間際でもできることを一つ、である。当方は多趣味で若いころにいろいろと手を出したが、結局今も楽しんでいるのは、かけ流しのジャズと、プログラミングである。
昔取った杵柄で、たまに気が向くとギターを弾き、車で遠出をすることもある。野良猫を見つけてはシャッターを切ったりしていたが、なかなか良い写真が撮れないので、とうとう野良猫2匹を家の中で飼うことになった。
今の時代、野良猫でもタダでは飼えない。健康診断からノミダニ駆除、ワクチン接種と1匹10万円近く費用が掛かった。被写体を当方の望んだ時間に、と思っていたら、猫は所詮寝子であり、寝てばかり(注)。
結局ジャズとプログラミングが自由に気楽にできる趣味である。プログラムづくりが楽しいのか、と問われると、そこは考えたことが無い。何かやりたい、と思ったときにやりたいプログラムを作成し動作させるだけである。
それが楽しいのか、と聞かれると困るのだが、うまくプログラムが動作した時の満足感がある、ぐらいしか答えられない。
初任給10万円の時代に、上司に言われ研究所のOA化を行うために80万円のローンを組まされたおかげでこのような趣味が身についた。当時は、プログラムが動いても満足感など無かった。早くローンが終わらないか、とばかり考えていた。
80万円のローン以外にも無茶苦茶な要求をしてきた主任研究員だったが、それでも会議前にFDを壊すようなことをしなかったので耐えられた。耐えた結果、高純度SiCの半導体治工具技術はじめ高分子の難燃化技術や高分子の破壊と現在のセミナーのネタになる研究を十分にできた。
この頃の楽しい思い出といえば、指導社員が美人だったことだけであるが、それゆえ、仕事は皆最下層の当方が行うことになった。右から左へ受け流す歌が流行った時に、どこもそうなんだ、と納得している。人生最も苦しかった時代に、人生の最後まで楽しめる趣味が身についた。
(注)寝ている猫をカメラの被写体のために起こしたのでは、動物虐待となる。昔、学ランを着せて鉢巻を締めた「なめネコ」の写真が流行ったが、動物虐待と指摘され、ブームは去った。外では様々な姿を見せた野良猫でも3食昼寝付きとなると動かなくなる。今働き方改革が進められているが、一昔前は1800時間が目標とされた。そしてGDPは上がらず今日に至る。家の中の野良猫を見ていると、働き方改革の未来に嫌な予感がする。知識労働者についてドラッカーはマネジメントの重要性を指摘していたが、それが未熟な問題は、未だ解決されていない。来年3月にある学会の招待講演者として選ばれており、そこでこの問題のソリューションを自己の体験から講演する。
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塩ビは容易に難燃化できるので、建築資材として大量に使用されている。一方環境負荷の視点で脱塩ビが騒がれてもその対策は遅々として進んでいない。
我が家はヘーベルハウスで屋根には塩ビシートが使用されている。旭化成の製品で良質の塩ビだが、30年経過して張り替えるときに、古くなった塩ビシートをそのまま残し、そこへ新たなシートをかぶせる工法を取っている。
古い塩ビを産廃として処理する面倒を先送りにした技術である。ところが家を建て直すときに、またヘーベルハウスにするかどうか不明である。あてにならないお客さんに古い塩ビシートを処理させる、という意地の悪い処理の仕方、という見方もできる。
旭化成としては古い塩ビの産廃問題を解決できているが、その負担をお客さんにさせているだけである。この古い塩ビシートを思い出すたび、改築時も旭化成に頼みなさい、と屋根の上から言われているような気もする。3階が寝室であり、環境問題を考え天井を見るたびに思い出す。
これでは企業イメージが悪くなるばかりだ。塩ビシートを張り替えるときに、古い塩ビシートをきれいに洗浄できれば、そのまま再生樹脂にできることを知らないのだろう。塩ビは劣化に強いので建築資材の外装材に使用されているのだ。
しかし、単純に練り直しただけでは、強度が出ないことも知られている。これは、塩ビの特性ではなく、混練技術が悪いためである。カオス混合を行えば強度は回復する。
混練しなおした塩ビ材料で、塩ビシートを作るのも雨トイを作るのも自由である。何度も再生使用すれば産廃の問題を解決できる。すなわち塩ビは何度もカオス混合で練り直して使うことがコツである。
旭化成であればこの問題にチャレンジすべきだろう。また、旭化成以外でも塩ビは大量使用されているので国レベルで対応すべき問題かもしれないが、その時には技術を惜しみなく提供いたします。特許出願もできるアイデアを提供できます。
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兵庫県知事選挙のPRを請け負った女性社長が自慢げにSNSで語ったために選挙違反騒動となっている。当方も活動報告に自慢話やらサラリーマン時代の悲劇や喜劇を書いているので、この女性社長の気持ちをよく理解できる。
ただ、当方ならば女性社長のような自慢話を書かなかった。当方の転職の状況にしても、高純度SiCの学会賞の顛末にしても、あるいは論文を勝手に出された話でも実話だが、すべてを書いていない。
論文を勝手に出された話は、該当論文を見れば個人を特定できてしまうが、他は個人を特定できないよう配慮している。当方が転職時に同時期に辞めた他の二人についても活動報告では感謝以外のことは書いていない。
活動報告に書かれている自慢話も実話であり、例えば電気粘性流体の耐久性問題を一晩で解いたのも実話で、この事例は来年3月のゴム協会で開催されるシンポジウムでも話す。
ちなみにこのシンポジウムでは招待講演者として呼ばれており、2時間も枠を頂いた。ここで80万円のローンを組まされてパソコンを買った話もする予定だ。これが余分な話かどうか、というよりも当時のパソコンに対する世間の考え方を示すためには分かり易い逸話だからである。
今時パソコンが動作するためにはソフトウェアーが必要だということは誰でも知っている。しかし50年近く前、日本のトップレベルの研究所の30歳以上の「おっさん」研究者は、ソフトウェアーがなにかも知らない人がほとんどだった。
ゆえにキーボードとCPUが一体になったマイコンを購入すれば何でもできると勘違いしていたのである。専用のモニターやフロッピーディスクドライブ、プリンターやそれらをマイコンにつなぐインターフェースをそろえただけでも80万円を越えてしまう。
「花王のOAパソコン革命」という本には、16万円でサクサクと仕事が進むと書いてあったため、上司がそれを個人で買って成果を出せ、と命じてきたのである。初任給10万円の時代に部下に80万円のローンを組ませて会社の仕事をさせる、そんな無茶な話が許されていた時代の話だ。
今や世界のトップとなった大企業の研究所に勤めながら、ローン返済に苦しむ生活ゆえに遊ぶ金が無いという理由で、コンピュータサイエンスの勉強を毎日するのが楽しみになった。
シンポジウムではここまで話さないが、何故80年前後のデータサイエンス黎明期にすでにマイコンでマテリアルインフォマティクスの成果を出していたのかの説明は行う。金がなく、余暇を満たすにはそれしかできなかったのだ。
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プロ野球楽天イーグルスの田中選手が自由契約になったそうです。そしてセリーグの2球団が獲得に乗り出したという。
田中選手は、若いころは楽天の主力選手でスターでもあった。メジャーリーグで使い物にならなくなって帰国するや古巣に戻ったが、1勝が1億円以上というコストパフォーマンスが悪い選手だった。
数値だけを追えば、自由契約になって当然の選手だろう。おまけにささやかな不祥事を起こしている。プロの世界だから用済みとして扱われただけなのだが、楽天の非情さを指摘する声もある。
かつて王氏がジャイアンツを追い出された時にもジャイアンツの非情さが騒がれたが、プロの世界では過去の実績や球団への貢献など関係ないのだろう。しかし、選手も人間である。
田中選手は、選手生活をやる気十分だという。他チームへ移籍して大活躍されることを期待したい。球威は落ちたが、彼の投球術は未だ球界の10本指に入るかもしれない。負け試合でも大崩れしないその安定感はNPBでまだ活躍できると信じている。
サラリーマンの世界も厳しくなって、早期退職制度を設ける会社が多いと聞く。当方は55歳で早期退職制度を使ってサラリーマンを辞めるつもりでいたが、ある役員の頼みで環境対応樹脂の開発を引き受けたために、退職日が1年伸びて2011年3月11日が最終日になった。
ただし、退職金等が増えたわけではない。東日本大震災で帰宅難民となり、会社の事務所で一泊した思い出の特典を頂けただけである。
だから、自己実現目標を高くし、在職中よりも成果を出せるよう頑張って仕事をしている。故ドラッカーは企業を社会の器としての組織と認めていたが、そこで働く人間の寿命が長くなった問題を指摘していた。
しかし、その解決策を示していたわけではない。働く知識労働者一人一人が解決策を考えるべき問題だろう。そこで自分が働ける会社を起業したのである。
今年は、再生材に関する国際会議の招待講演者に選ばれたり、来年3月に開催されるゴム協会のシンポジウムの招待講演者に選ばれたりした。また韓国にもお客さんが増え新たな働き場所が増えた。
台湾、中国、韓国と日本国内が空洞化した結果だが、研究開発のお手伝いも可能で、まだ若手研究者に勝るアイデアを出す自信がある。特にトランスサイエンスは若手が不得意とする問題である。
これを得意とする企業が弊社である。マテリアルズインフォマティクスも使いたくなるようなご指導をしています。他社のご指導で不満な企業はご相談下さい。
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SPの概念は微粒子を分散する時の考え方まで拡張されている。ゴム会社から転職した30年ほど前にコアシェルラテックスが話題になっていた。
このコアシェルラテックスとは、コアに例えばシリカ粒子を用い、その周りをラテックスで包んだコロイド溶液である。ライバルの写真会社が開発し、写真用途の合成条件は、強固な特許網で守られていた。
ゼラチンの物性改質技術としてシリカ粒子とラテックスを添加し、硬さと靭性のバランスをとる技術が古くから使われてきた。しかし、シリカゾルとラテックスをゼラチン水溶液へ別々に混合する時にシリカゾルの電荷二重層が崩れ、ひどい時には沈殿したり、沈殿しなくても凝集粒子の生成が避けられなかった。
撹拌技術で制御し何とか使いこなしてきた技術だが、このコアシェルラテックスの発明ですべての問題が解決されたといわれた優れた技術である。これ以上の技術は無い、と転職した時に説明を受けた。
しかし、これ以上の技術は無いと言われるとそれを開発したくなる欲求が湧く。コアシェルラテックスと対極にある、シリカゾルにまったくラテックス成分が付着していない、シリカゾル中における安定したラテックス重合技術を提案した。
しかし、すぐに不可能と却下された。それが不可能だからコアシェルラテックス技術が重要である、と説明を受けている。ダメな理由は電荷二重層の崩壊でシリカが沈殿するからだそうだ。
ならば、シリカゾルをミセルとして使って重合したらどうなるか、と質問したら、できるならやってみてくださいと言われた。結局このような議論はできる、できないの平行線となる。
すぐに、ゾルをミセルに用いたラテックス重合は成功するのだが、この時シリカゾルの表面をAlで修飾し、表面を改質している。これ以上は書かないが、コロイドの安定化技術としてセラックスフィーバーの時に開発された技術である。
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技術があってもそれを熟成する商品シナリオが無ければ、やがて技術は時代遅れとなってゆく。高純度SiCの技術がそのような運命をたどり、高純度SiC製造技術やカーボンだけで焼結する技術、住友金属工業から移管された技術など進歩することなく事業は継承された。
商品開発シナリオがあっても技術開発を行わなかった場合の事例だが、技術開発を行っていても商品開発シナリオがうまく連動していないと日産自動車のような状況となる。
ゴーン体制となって日産自動車はグローバル化とその効率向上を目指した。利益率を優先したと言っても良いかもしれない。その結果、商品シナリオと技術開発は、うまく噛み合わず、ちぐはぐとなっていった。
日産内部の情報を持っていないので、商品や公開情報から述べているが、経営方針を大きく変えなければ、おそらく日産自動車はスーパーカーと軽自動車の会社となってゆくだろう。
すなわち、今9000人のリストラとなっているが、これまでの経営方針では、さらに規模を縮小するような事態になってゆく。これは世界中の各地域で販売されている車種を見ればわかる。
日産自動車というブランドイメージを高めるような販売戦略となっていない。その結果北米事業のように次第に売れる車が無くなってゆく。
日本では、セレナやノートが売れる車として残っているが、やがてこの2車種も売れなくなるだろうと思われる。いまや国内の日産ブランドはスバルやマツダ以下になっていることに経営者は気がついているのだろうか。
利益率は重要である。しかし、事業目標として市場における新たな価値創造が重要である。
新たな価値を創造できなければ、企業は衰退しやがて市場から退場することになる。
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最近「生録」のことを空気録音というらしい。新しいオーディオ技術かと思ったら、その場の雰囲気が分かるような録音方法をこのように言うらしい。
ユーチューブなどのSNSで聴く音が何か新鮮に聞こえたためにこのような言葉が生まれ、それがオーディオを趣味とする人たちに広まって、そこに難解な蘊蓄が加わった怪しい言葉である。
これをスピーカー評価に適した録音方法として勘違いしている人がいる。あるいは、スピーカー評価に使う時に、比較対象と区別できるように録音して空気録音で比較しました、とやっているケースもある。
もしこれでスピーカー販売などしているならば詐欺に近い。昔オーディオ雑誌でスピーカーの性能を議論するのにどのようにしたらよいのか、座談会が載っていた。
すなわち、無響室で測定された周波数分散や高調波歪率などの特性グラフを示しただけでは伝わらず、部屋で聴いた音を伝える工夫のような議論へ発展し、結局オーディオ評論家がうまく伝えるしかない、というところに落ち着いている。
このオーディオ評論家もやや胡散臭い職業で、結局オーディオメーカーの太鼓持ちのようになってオーディオ市場そのものも衰退してゆく。
そもそもオーディオ業界の衰退は、技術が進化し、ひどい音で鳴るシステムが見当たらなくなったためである。TVのスピーカーでも50年以上前のステレオよりいい音がする。
当方は、アンプはROTELを使用し、スピーカーはオンキョーとボーズを同時に鳴らすスピーカーの配線をし、必要に応じてサブウーハーを使えるような環境で音楽を楽しんでいる。そしてTVの出力をこのシステムに入力し、TVの音もハイファイで聴けるようにしている。
この環境で、TVのスピーカーの音とオーディオシステムから流れてくる音を比較すると、確かにTVのスピーカー音質は悪いと分かるが、時々ステレオの電源を切り忘れるので、TVだけで聴くようになった。
高級オーディオは電源が入っていると音が出ていなくても電力を食うのである。それでTVだけで聴くようになったのだが不満はない。これではオーディオ市場も無くなるわけである。
ライブハウスと同じような音空間を再現しようとすると100万円前後かかるのである。リビングでこれを楽しむのは趣味として良いかもしれないが、実用的ではない。
そのように楽しんでいる環境で高度なテクニックで空気録音された、という音を聞くと、ただ「生録」をやりました、にすぎない音である。だから、良く聞こえるように細工をしてスピーカーの比較を空気録音でしてみました、という怪しい説明に聞こえる。
再生装置の違いで音の聞こえ方は影響を受けるので、空気録音だから良い、という言い方はおかしいのである。ただ録音しました、と同じ意味である。言葉に騙されないように。
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