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2020.09/29 ブリードアウトのセミナー

10月に2時間の無料WEBセミナーとして、高分子のブリードアウトについて企画している。もし聴講をご希望される方は、希望日を明日までに弊社へ申し出ていただきたい。

 

当初WEBセミナーの研究用として休日行ってきましたが、平日を希望される方もおられましたので、平日にも行ってみようと考えました。

 

そこで、平日行うならば希望者の予定に合わせて開催しようと考えました。弊社の予定もありますが、参加者の希望を優先したいと思いますので、参加者の多い日を重視して決めさせていただきます。

 

そのほか、ケミカルアタックや射出成型、押出成形、混練、シリコーンポリマー、高分子の誘電率制御、5G、高分子の難燃化技、機能性セラミックス、問題解決法などこれまでセミナーの講師として招聘されたテーマでも行ってみようと思っていますので、希望テーマにつきましても明日までにご連絡いただければ、と思っています。

 

注意点として、2時間という短時間であるため、テーマによりましては質問時間が無くなることがあります。また、セミナー資料は有料でダウンロードしていただくことになります。

 

テキストを有料としておりますのは著作権を考慮しての扱いであり、WEBセミナーの録画は禁止行為となりますのでご注意願います。

カテゴリー : 一般 学会講習会情報

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2020.09/28 高純度SiCの発明(4)

科学の成果として技術がある、という言い方は、一部の当たり前の技術では正しいかもしれないが、高純度SiCの発明については、根性の成果として技術が完成している。

 

技術が完成してから、その技術の成功が科学的に考えて必然だったことを完成した技術を用いて明らかにしている(注)。

 

フェノール樹脂とポリエチルシリケートの分子レベルで均一に混合された前駆体によるSiC生成の反応速度論解析もその一つで、この解析を行うために、2000万円かけて熱分析装置まで開発している。

 

すなわち科学的に厳密な実験を行うために、世界初となる分析装置まで発明したのだ。学位論文には詳細がかかれているので興味のあるかたはそちらを読んでいただきたい。

 

ポリエチルシリケートとフェノール樹脂を分子レベルで均一に混合する技術については根性で見つけているが、SiC化の反応を解析する分析装置についても一度は分析機器のメーカーがギブアップした装置を当方の手作りの部品を使い根性で完成している。

 

前者は鼻歌交じりに行っているが、後者は2000万円がかかっていたので、冷や汗かきながらの作業だった。しかし苦労のかいがあり、2000℃まで1分未満で昇温可能な熱天秤を完成させることができた。  

 

すなわち、技術ができて初めて新しい科学の真理が生まれたのだ。技術の成果として新しい科学が生まれた、と高純度SiCの発明では言える。

 

このような新しい科学を生み出すような技術開発を目指しているのが弊社のコンサルティングポリシーであるが、これがなかなか理解されない。それだけ科学信仰が強いのだろう。

 

当方は科学を否定しているのではない。新しい科学を生み出すような技術開発が重要だと思っている。最初に根性の成果と書いたのは半分冗談だが、新しい科学を生み出すためには、既知の科学のロジックを超えるロジックを適用して初めて成功する。

 

弊社へお問い合わせください。昨日の無料セミナーでもこの点について解説しました。

 

(注)山中博士も同様にヤマナカファクターを見出し、それを用いて科学を展開している。ヤマナカファクターは技術の成果としてまず生まれたことを理解する必要がある。その技術は科学で生まれているので、科学の成果と山中先生は謙虚に言われるが、ヤマナカファクターそのものはあみだくじ方式による技術成果である。くじを引くか根性を使うか、あるいはーーーー。

カテゴリー : 未分類

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2020.09/27 高純度SiCの発明(3)

フェノール樹脂とエチルシリケートの組み合わせを高純度SiCの原料に用いることが新規であることをどのように知ることができたのか。

 

簡単である。大学院時代に在籍した研究室でSiCウィスカーの研究をテーマとしていた研究者が数人いて、彼らの輪講や研究報告会に欠かさず出席していたからである。

 

そこでもフェノール樹脂やエチルシリケートを原料とした方法が研究されており、失敗している。すなわち、この原料の組み合わせは高純度SiCに不向きであることが科学的に証明されていた。

 

論文には書かれていないが、失敗実験のデータとして報告され、その失敗の原因がSP値にあったからである。高分子の世界ではフローリー・ハギンズ理論で否定される組み合わせだった。

 

すなわち、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂を均一に混合し安定な前駆体を製造することは、科学的に困難な技術とされていた。

 

よく技術は科学の成果であるから科学の研究に力をいれよ、という人がいるが、科学を信じれば信じるほど技術開発が難しくなる、というパラドックスをそのような人はご存じない。

 

技術開発で少しでも成功体験のある人は、一応周囲への配慮から科学への殉教を誓うが、内心は非科学的でも成功する可能性のある限り、なんでも実行しようという考えを持っている。

 

科学が進歩すればするほど、そのような人でなければ新しい発見ができなくなるから面白い。

カテゴリー : 未分類

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2020.09/26 高純度SiCの発明(2)

大量の情報を短時間にどのように処理するのかは、情報処理が容易になった現代でも重要問題の一つである。

 

最近ビッグデータがよく話題になるが、大半はコンピューターで多変量解析を行った結果である。重回帰分析か因子分析(主成分分析など)が良く用いられている。

 

こうした手法を用いることが最近の成果だと誤解している人が多いが、重回帰分析や因子分析の手法は1970年代にすでに利用できた。

 

ちなみに、当方は新入社員研修で担当したタイヤの軽量化問題について、重回帰分析と主成分分析を駆使して解いている。これらのプログラムがIBMの大型コンピューター3033に付属したソフトウェアーのパッケージに入っていたので、英文の読解力があれば簡単にデータ処理ができた。

 

その時に大きな問題となったのは、データ入力の部分である。最近ビッグデータ解析がよく用いられるようになったのは、文献などの良質なデータがデジタル化されて、それを大量に集めて処理しAIに入力することが容易になったからだ。

 

特許のような文献データについて40年以上前の状況は、まずそれを紙にコピーして整理するところから始めなければいけなかった。そのためそれが作業の障壁となっていた。

 

セラミックスフィーバーの時代にセラミックス業界以外から多数参入できたのは、古典的方法によらないセラミックスの高純度化技術が全くの新規分野であったため調べるべき情報データが少なかったからである。

 

当時「高純度化」という技術は、ファインセラミックス開発の目標の一つであり、経済性の高い高純度化技術はどのようなものでも新規技術になる可能性が高かった。

カテゴリー : 未分類

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2020.09/25 高純度SiCの発明(1)

セラミックス材料を高純度化する技術はコストがかかる。なぜなら結晶に固溶した不純物を取り除くために一度結晶を壊す必要があるからだ。

 

SiCであれば、BやAl,その他遷移金属は容易に固溶する。これら不純物を除去するには、昇華と再結晶を繰り返さなければいけない。いわゆるレイリー法である。

 

高純度原料を用いて高純度プロセスにより製造すれば、高純度セラミックスができることは、だれでも容易に想像できるが、レイリー法と比較して経済性が優れているのか、という検証は容易ではない。

 

それができたとして、価格を比較することは容易だが、実際にできるのかどうか、すなわち実証実験に費用がかかるからだ。

 

1980年代に高純度SiCの原料として、C(炭素)源は、高純度カーボン、有機物が、Si源は高純度Si,高純度SiO2、有機Si化合物、有機シリケート化合物が知られていた。

 

そして、これら原料の組み合わせ特許とそれを原料として製造する方法の発明がミカンの段ボール箱で15個分出願されていた。

 

このミカン箱の個数は、ゴム会社の知財担当の部長が当方に整理するよう送ってきた個数である。当時はデジタル化されていなかったので、20年分の関係する特許のコピーをこのように集めてそれらを整理することから技術開発をはじめていた時代である。

 

留学中毎朝テニスを一時間、夕方はボールが見えなくなるまでテニスをしてます、と日常を語ったことを後悔したが、段ボール箱15箱を2週間で整理している。

 

整理した結果は、どんぶり調査(ざる調査ではない)の結果と同様であり、エチルシリケート(ケイ素源)とフェノール樹脂(炭素源)の組み合わせ特許が存在しなかった。

 

エチルシリケートと他の炭素源の組み合わせや、フェノール樹脂と他のケイ素源の組み合わせ、並びにそれらを原料とした製造プロセス、応用技術に関する特許はミカン箱2箱分存在した。ただしSiCの製造方法に関係しないノイズ特許もこの中に含まれている。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料

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2020.09/24 高分子の誘電率の不思議体験

新素材を開発する手法として科学で説明できない現象を再現よく発揮できるように創りこむ手法がある。

 

その材料が科学で説明できない現象を再現よく引き起こしてくれれば、現象の研究を科学的に行い、材料に創りこまれた機能を科学的に説明できるようになる。

 

このようなことを大学で指導してほしいのだが、大学は科学を教える場なので難しい、とある先生が申されていたが、その先生は、科学技術というものを理解されていない。

 

科学技術には、科学で生み出された技術と科学に裏打ちされた技術の2種類が存在する。後者は創造の過程が科学的に少し怪しいけれど科学で説明できる技術である。

 

PPSにナイロンを分散して絶縁破壊を調べると、一般的な混練プロセスで調整された材料では、絶縁破壊電圧が100Vとなるときがあるが、カオス混合を行った材料では、300Vを超えることがある。

 

電子顕微鏡観察を行うと前者にはナイロンのドメインが観察されるが、後者では単相として観察される。ゆえに絶縁破壊電圧が高くなった、と納得できるが、もう少し研究する必要がある。

 

PPSにナイロンを相溶させてカーボンを10%程度分散した材料でベルトを製造し誘電率を計測してびっくりした体験がある。負の誘電率を再現よく示したのだ。

 

残念ながら中間転写ベルトとしての性能が悪かったのでそれ以上の研究を行っていないが、同一組成なのに負の誘電率になったり正の誘電率になったりする。しかもそれをプロセスで制御できる、という冗談のような体験をした。

 

この体験については、目標とした製品性能が悪かったので十分な研究を行っていないが、もし若ければ、昼休み時間や定時後の時間を使って研究していただろう。

 

若い時の情熱は、お金に縛られないところが良い。不思議なことに爺になると若い時と同じようにお金にとらわれなくなるが、その時には体力がなくなって意欲が空回りする。若返りを目指して最近軽い運動を始めた。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2020.09/23 無料セミナー

1980年代に比較して全国の書店数が半分になったそうである。インターネットの普及の影響と言われている。

インターネットは情報を入手するために大変便利なシステムであるが、知識を得ようとした場合には、役に立たないことが多い。

形式知ならばそこそこ役に立つが、経験知や暗黙知になるとインターネットでは無理である。もっとも暗黙知に至っては、マンツーマンで指導していても難しいが、経験知はやはり経験者から学ぶ以外に良い方法は無い。

新入社員の3か月間、良い指導社員に巡り合った。混練りの神様と呼んでも良いようなレオロジストであるが、実務家の技術者だった。

ご自分の専門領域が20世紀に消えてなくなると自虐的な指導をしてくださったが、その結果暗黙知も伝承していただいた。

その暗黙知のおかげで、退職前の5年間に、カオス混合機の発明、それによる会社への直接貢献といえる中間転写ベルトの大幅なコストダウン、環境対応樹脂の開発などの成果を出すことができた。

これらの成果で給与が増えたわけではないが、30年前の暗黙知の具現化ができた体験は貴重である。この暗黙知の中には、問題解決法や高分子技術が含まれている。

混練の神様は、当方が高分子を大学で学んでこなかったので毎日午前中3時間座学を開いてくれた。その知識は今でも十分役立つ体系が含まれていた。

週末の2日間無料セミナーでその時の知識を公開します。これはインターネットで経験知を伝えることができるのか、という問いから企画しております。

再掲となりますが無料セミナーで予定しているテーマは下記の通り。なお、時間は2時間で9月26日(13:30-15:30)と27日(13:30-15:30)。

<予定テーマ>
1.9月26日(土曜日):高分子材料の初歩(初めて学ぶ高分子的イメージ)
2.9月27日(日曜日):ヒューリスティックな問題解決法(山勘や直感ではない、正しい問題を即座に解く方法)

今回のセミナー参加者募集は終了致しました。

多数のご参加ありがとうございました。

カテゴリー : 一般 高分子

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2020.09/22 コロナ感染者数

毎日コロナ感染者数が報告される。東京は高止まりで推移しているが、天気予報を聞く習慣以外にこの感染者数の推移を毎日調べる習慣となったのが当方の新しい生活スタイルである。

 

 

PCR検査数が多くなっても患者数が減っていかないのは、再生産指数から同数の隠れ感染者がいるためだろうと推定される。

 

 

しかし、これが諸外国のように急激な患者数の増加となっていないのは、マスクとこまめな手の消毒が効果を発揮しているのだろう。

 

 

最近は公衆トイレの手洗い場も混雑するようになった。昔は男性の場合に用を足した後手を洗わない人が多かった。

 

 

普段露出していない部分を触るのだから、という感覚かもしれないが、最近は見ていると用を足す前に手洗いをする人も出てきた。

 

 

この時ばかりは、手を使わず用を足せないので、感染予防のために、顔以外でも注意した方が良いと気づかされ、当方も事前に手を洗うようになった。

 

 

手洗いとマスクがこれだけ徹底されてくると急激な感染拡大が抑えられるのだろう。とにかく汚れた手で顔を触らない工夫が必要であると同時に汚れたものを素手で触らない工夫も必要だ。

 

 

最近はエスカレーターの真ん中に立つようになった。これは無意識にベルトをつかむ習慣を治すためである。面白い現象として、駅のエレベーターに4人乗っていても動き出さないことがよくあることだ。

 

 

仕方がないので、当方は操作盤の近くに乗るようになった。そして用意していた爪楊枝で押すのである。押しボタン式はこれでよいが静電式のスイッチの場合には困ってしまう。

カテゴリー : 一般

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2020.09/21 多成分ポリマーアロイ

PC/ABSは、PCにABSをブレンドしたポリマーアロイだ。ABSは三成分のポリマーをブレンドし高靭性化に成功したポリマーアロイで、PCは非晶性で透明度が高く高靭性のポリマーである。

 

PC/ABSは、高靭性のポリマーの組み合わせなので、高い靭性とPCの特徴である意匠性の優れた樹脂になる、と信じられている。

 

ところが、PC/ABS以外にPC/PSやPC/PETなどが開発されると、高いPCに安い樹脂をブレンドしてコストダウンを図った樹脂ではないか、と思いたくなる。

 

この視点で、PCに廃材となったいろいろなポリマーをブレンドしてみると、PCが70%以上含まれている限り、そこそこの活用できそうなポリマーができる。

 

PCで簡単にできたなら、廃材であるPETボトルを70%以上含有した樹脂も簡単にできるだろうと思ったら、これが難しく、PETボトルの射出成形体よりも優れた物性の樹脂を作り出すのに3ケ月必要だった。

 

マトリックスを構成するポリマーがPCからPETに代わると、樹脂の結晶化を制御しない限り、高靭性の樹脂を開発できない。

 

結晶化を制御できても樹脂の溶融時の粘度の温度依存性を射出成型に適合するよう制御しなくてはいけない。

 

少なくともこれらの問題を解決しなければ多成分のポリマーアロイを開発できないことが、開発をスタートして明らかになったので、データ駆動型開発手法とカオス混合の両者を用いて3か月で目標となる樹脂を開発した。

 

できあがったポリマーアロイは、難燃材を使用していないのにUL94-V2試験に合格する難燃性を新たな機能として獲得した。ポリマーアロイの面白さである。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2020.09/20 現象を観る

現象を眺める視点は、科学誕生前と後では大きく変わった。科学誕生以前は、とにかく自然界に潜む機能をよく観察しようと、人類は現象を眺めてきた、と「マッハ力学史」には書かれていた。

 

たとえば、火の発見は、人類の進化の歴史において重要な出来事だったが、このヒントが山火事だった、と小学校の教科書に書かれていた。

 

すなわち、人類の生活に役立ちそうな奇妙な現象を見つけては、それを観察し、生活に導入してきた歴史がある。それを面白く描いた漫画「テルマエロマエ」は、文句なくおもしろかった。

 

ローマ時代の職人が、現代にワープし、観察したお風呂をローマ時代に再現するのである。電気やガスなど無いのに、ウオッシュレット付き水洗便所まで作り上げている。

 

科学誕生後、現象を眺める視点が変わった。仮説を設定してから現象を眺め、仮説との整合性を人工的な現象で確認している。

 

しかし、科学誕生以前から人類が続けてきた観察の姿勢は重要である。少なくとも技術者には、現象の中に新たな機能を見出す視点が求められる。それができなければ新技術の発明などできない。

 

仮説を設定してから実験を行う姿勢は科学者として大切である。しかし、実験で発生した現象を単なる仮説の検証の視点だけで見ていると、新発見を見落とすことがあるから注意が必要である。

 

仮説の検証とともにそこで機能の確認もできる実験を行いたい。タグチメソッドはその一つの方法である。

カテゴリー : 一般

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