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2012.08/16 前向きの推論の問題

目の前に問題があり、その解決策を考えるときに、一般的には仮説を立て、前向きの推論を展開します。学校でも基本の推論の進め方として前向きの推論を最初に教えます。集合と論理のところで、推論には逆向き(後ろ向きと説明されていますが)もあることを学び、必要十分条件という大切な言葉を知ります。すなわち厳密な証明では、前向きの推論と逆向きの推論の両方で真になることを要求される、と学びます。

 

逆向きの推論では、一発で結論に結びつく解決策が得られますが、前向きの推論では、複数の解決策を考えることになります。なぜこのようなことになるかは、論理学の教科書に任せますが、必要条件と十分条件という事柄と関係しております。前向きの推論では、複数の解決策を考えますが、その中に本当の解決策では無い場合も含まれています。そこで仮説に基づく実験を行い、正しいかどうか確認をしているのです。日々の研究開発では、余裕のあるときにはこれで良いのですが、余裕の無いときには、正しいかどうか不明の場合でも結論を出してしまう間違いをしてしまいます。先日の電気粘性流体の事例におけるプロジェクトメンバーはまさにこの間違いをしたわけです。

 

これを防ぐにはどうしたらよいか。それは逆向きの推論を行い、結論に直接結びつく解決策を見つけておいて、前向きの推論を展開すれば良いのです。前向きの推論で見いだされた解決策の中には、逆向きの推論で見いだされた解決策も必ず含まれており、それは必要十分条件に相当する解決策です。実務においては、ケンシューオリジナルのK0チャートとK1チャートが役に立ちます。研究開発に必ず成功する解決策を迅速に見いだす手法を提供しています。

 

カテゴリー : 一般

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