2013.01/16 樹脂開発
この数年黒がブームである。町中が黒い車であふれています。昔黒い車と言えば高級車の代名詞でしたが、今は高級車でなくとも黒が使われています。その黒もよく見ますと、車の種類によりまして微妙に異なっています。
車以外もピアノブラックという黒が流行したおかげで、身の周りに光沢のある黒があふれています。樹脂の射出成形体であれば、PCベースのポリマーアロイです。主流はPC/ABSですが、この樹脂は、PCにABSをブレンドし、靱性をABS並みに改良しています。ただ、PCを使用していますので価格が高いのが難点ですが、射出成形一発で光沢のある高級外観が得られます。
約半世紀ほど前にABSという樹脂が登場し、電気製品はじめ身の周りにある製品の外装の多くはABSに置き換わりましたが、今はPC/ABSに置き換わっているように見えます。またPCという高級樹脂も上市されたときの4割前後の価格にまで低下してきています。
PCは光学特性が優れていますので高級外観を得やすいですが、PC以外にもポリエステル系樹脂はその光学性能からPCと同様の効果を期待できます。しかし、射出成形性とのバランスが難しく価格がPCよりも安いにもかかわらずPETのブレンド品がなかなか登場しません。PETのポリマーアロイでもPCと同様の高級外観が得られますが、難燃化の技術が難しくさらに射出成型性という特性とのバランスをとることも難しいので技術開発が進まないのでしょう。
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カテゴリー : 高分子
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