活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2013.01/26 弊社の問題解決法について<9>

「忘れられたスター」では、刑事コロンボは真犯人の逮捕をしませんでしたが、そのほかの事件では、完全犯罪となるような難事件まですべて解決しています。

 

例えば「死者の身代金」では、「銃弾は下から上へ突き抜けるようにあたった、なぜ口径の小さい銃を使ったのか、銃弾が体を突き抜けると困る、など一つ一つは絵空事だけど全体を見ると絵解きができる」と、思考実験の過程を継母レスリーに説明し、「顔見知りに打たれた、と結論でき、犯人は身近にいる。あなたが犯人だ。」、と告げます。しかし、犯人に結びつく証拠はアリバイも含め、何一つありません。

 

この難事件では、犯人しか持っていない身代金を娘マーガレットへ渡すように仕向けたお芝居を娘に演じさせると、継母レスリーは、早く娘を追い払いたいため25000ドルを隠していた身代金から払ってしまいます。それが証拠となり犯人は逮捕されます。

 

「策謀の結末」では、銃を販売する闇の商人が殺され、犯人との接点もつかめない状況です。しかし、死体の脇に落ちていたウィスキーのボトルの不自然さに着目します。刑事コロンボは銃殺された時の倒れ方とボトルがテーブルから落ちる様子を実際に何度も自分で演じながら、死体の脇に置かれていたボトルの状態にメッセージが隠されていると気がつきます。そして、ダイヤモンドの指輪でつけられたウィスキーの特徴的なボトルの傷を手掛かりに詩人の活動家逮捕につながってゆくのですが、「上司の教えとして、眼力が大事だ」、という決め台詞を残しています。このあたりは、探偵ホームズと同じく観察に基づく推理の展開を武器にしている様子が伝わります。

 

同様の観察眼で犯人を見つけた「秒読みの殺人」では、支社長マークが、殺された時に遠近両用メガネをかけていなかった点と死体の姿勢から顔見知りの犯行と推理し、捜査を始めてすぐに殺人の動機と結び付けてアシスタントディレクターに注目します。そして巧妙なアリバイ工作に利用した現場で、犯人の思惑とは逆に証拠を見つけ出し、犯人逮捕に結びつけております。

 

刑事コロンボは、いずれのドラマでも犯人に近づき、犯人と対話をするのが特徴で、その中で「うちのカミさんがネー」というセリフは、ドラマの見どころでもあります。刑事コロンボが難事件を解決できたのは、いつも犯人(結論)に近づき対話していたから、と思います。結論から推論を逆向きに展開し、常に結論と対話をする姿勢は、「考える技術」として重要です。

 

(明日へ続く)

 

 

 

 

 

問題は「結論」から考えろ!

連載の内容は弊社の電脳書店にて販売中の電子セミナーで、更に詳しく解説しております。

是非ご覧ください。

カテゴリー : 連載

pagetop