2013.01/28 Liイオン二次電池事情
政府系の投資ファンドである産業革新機構がソニーのLiイオン二次電池事業を核とした業界再編に乗り出したという(読売新聞。2013年1月25日)。内容はソニーの子会社「ソニーエナジーデバイス」とNEC・日産自動車の合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ」との経営統合である。
Liイオン二次電池は、1980年代にブリヂストンがポリマー電池として実用化(日本化学会賞受賞)して以来日本が先行してきた分野である。しかし、現在そのシェアーは、サムスンがトップになり、日本のバッテリーメーカーはトップを守りきることができなかった。しかし、Li二次電池の部材に関しては、サムスンは日本企業から購入しており、部材の売り上げ規模でみると日本がいまだトップで、日本の電池メーカーが戦略を間違えなければ、まだ挽回ができる状況である。
公知のようにサムスンには多くの日本人技術者が引き抜かれ活躍している。Li二次電池事業のトップはホンダから流出した技術者と聞いている。グローバルに事業が展開されている状況だから、とやかく言うつもりは無いが、日本企業で育てられた優秀な技術者が、国外へ流出している現状は手を打つべきと思っています。
さて電池という商品は組み立て型商品で、部材を外部から購入すればどこでも事業を始められる。今部材メーカーは電池まで特許に権利範囲を記載しているので、Liイオン電池の基本特許が切れた状態では、組み合わせ特許さえ回避できればどこでも生産できる商品である。
一方今でも性能開発競争が続いており、CPUに似た商品でもある。すでに2020年ころまでのロードマップができており、インテル商法さながらである。CPUもハイkやローk材料が話題になったように、部材を外部から購入し組み立てている商品です。すなわち、二次電池とCPUはよく似た商品であり、CPUのこれまでの歴史が二次電池でも起きるということであります。
このままサムスンの独走を許せば、メインストリームはサムスンの一人勝ちになります。CPUのメインストリームをインテルが握り、なかなかその状態をAMDがひっくりかえせないのと同様の状態になります。おそらく2-3年で勝者が決まるでしょう。ただCPUと異なる一面があり、そこの特徴に気づき戦略を展開すれば日本の企業がトップに立てると考えています。詳しくはご相談ください。
カテゴリー : 電気/電子材料
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