2013.01/30 高分子の難燃化技術の歴史
高分子の難燃化技術について、この30年間の進歩は様々な樹脂の難燃剤が開発されそれぞれの樹脂について最適化が行われてきたのが成果だと思います。1980年頃に高分子の難燃化手法に関し、その方向が決まり、様々な縮合リン酸エステルが開発されました。その後登場したのが臭素系難燃剤で1990年代に一気に普及しましたが、環境問題の影響で、一部の臭素系難燃剤が、縮合リン酸エステル系に置き換える検討が進みました。
1970年代の難燃化技術の進歩に比較しますと、基礎科学としてはほとんど進歩していない領域と言ってもよいかもしれません。難燃化技術の1970年前後の進歩には著しいものがあり、1980年代の方向性を決めることのできる成果が基礎科学として出ております。
これは、高分子の熱分解や耐熱性高分子の研究が1970年代に盛んに行われ、それと並行して難燃化技術研究が行われた影響が大きいと思います。欧米の動向も同様であり、1970年代の成果を踏まえ、ULなどの規格が1980年代にほぼ決まりました。日本の建築基準の大幅な見直しも1980年初めに行われております。
高分子の難燃化技術はもう開発の必要のない分野のように見えますが、世間で発生している品質問題を見ますと、これまでの研究開発と異なるコンセプトでテーマ設定を行う必要を感じています。何かご質問がございましたらお気軽にご相談ください。
カテゴリー : 高分子
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