2013.01/31 ミドリムシからプラスチック
先日の新聞記事に、ミドリムシからプラスチックスを作る話が掲載されていました。ミドリムシの作り出す糖を利用するのだそうです。現在の石油リファイナリーからバイオリファイナリーの流れの中で普通の記事として思っていましたが、アイデアがわきました。
単なる思いつきのアイデアで申し訳ないですが、ミドリムシ以外のプランクトンでも同じことができるのではないか、あるいはプランクトンをスプレードライで乾燥させて、その後脱色洗浄したらそのまま樹脂として使用できないか、と考えました。少なくとも樹脂の増量剤あるいは可塑剤程度に使用できるのではないか、と思っています。
さらに運が良ければ、難燃剤としての機能を有するプランクトンもいるのではないかという予想です。プランクトンの中にはミネラルを豊富に含むものも存在し、さらにそのミネラルは生物由来ですから、原子レベルで分散している、と期待できます。30年以上前に難燃剤が活発に研究されていたころ、元素別の難燃効果という論文を読んだことがありますが、金属酸化物には粒径が小さくなると難燃効果が出てくるものがある、と結論されていました。当時ナノオーダーの粒子技術が存在しなかったので論文には期待のあるような書き方がされた、と話半分のつもりで頭の隅に記憶として残しておきました。
昔の記憶がどの程度のものか確認するために、数年前酸化スズゾルの難燃効果を調べましたところ10部程度の添加でLOIを1程度上げる効果がありました。また、燃焼面にはチャー生成量の増加していることも目視で確認できました。1ミクロン程度の酸化スズには効果は無かったので、明らかに金属酸化物の粒径の効果です。ミネラルの多いプランクトンを難燃剤として活用できる可能性が出てきました。
プランクトンを材料として実用化しようとする時に問題となるのはコストです。おそらく広大なプールが必要になりますので過疎地で作物の作れない土地で培養する事業になるのではないでしょうか。もしスプレードライして得られた乾燥物が50円前後であれば、樹脂の増量剤として活用でき、難燃効果があるのであれば100円前後までコストの上限は広がります。簡単な還元漂白程度の加工でプランクトンを利用可能であれば面白い素材です。
カテゴリー : 高分子
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