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2013.03/01 ポリオレフィン系ポリマーの難燃性について

ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系ポリマーは難燃性が低く、LOIが18.5前後である。ポリスチレン(PS)もこのカテゴリーに入れる場合も多い。難燃性の観点から、PSをポリオレフィンに分類するのは妥当と思います。

 

すなわち、ポリオレフィン系ポリマーが燃焼するとポリマーの骨格を構成している主鎖が熱分解し、低分子量化するだけでなく、ラジカルと呼ばれる反応性の高い状態の物質を生成するため、急激に熱分解が進行することになる。そこへ空気が入れば急激な酸化反応、すなわち燃焼となります。

 

ポリオレフィン系のポリマーについて自己消火性の難燃性を付与する技術は難燃剤を添加する方法以外に存在しないようだ。「ようだ」としたのは、実験をしたことはないが、LOIが低い他の材料で難燃剤を用いずに溶融型でUL-94V2を達成し、商品化したことがあるからです。同様の方法で自己消火性レベルの材料ならば設計できる可能性が高いと思っています。

 

難燃性のポリオレフィンのコンパウンドには難燃剤が少なくとも5%以上含まれています。難燃性のポリオレフィンという商品には100%単一ポリマーで構成されているコンパウンドが存在しないことを示しています。耐光性や滑り性その他何か機能性を付与された場合には、ポリマーの成分は90%以下になります。

 

ゆえに力学物性の良好な難燃性ポリオレフィンを設計する場合には、難燃剤の使用量を低減できるポリマーアロイで材料設計した方がマトリックスを構成するポリマー成分が多くなるので射出成形時の外観などの他の品質の安定化のためにもよいと思っています。

カテゴリー : 高分子

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