活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2013.03/03 弊社の問題解決法について<45>

以前説明しました問題解決法は、部下のコーチングに応用しますと、逆向きの推論から得られる適切な質問で部下の能力を引き出すことができます。イノベーションを起こすという意志を持って設定した「あるべき姿」の提示は仕事のゴールを明確にし、「あるべき姿」から逆向きの推論で行う適切な質問は、部下の発想力を刺激します。勘と経験から生まれたアイデアでゴールに到達できると確信した部下は、責任感と集中力でゴールを目指します。

 

以下の事例は1992年の実話で、2000年に他の研究者から同一技術について学術雑誌へ世界初の研究として投稿がありました。2004年度写真学会ゼラチン賞を受賞しております。

 

デジタルカメラの普及で写真フィルムを身近に見ることが少なくなりましたが、写真フィルムの画像を記録する部分には、光に反応して画像を形成する銀塩の結晶を分散したゼラチンが使用されており、銀塩写真フィルムとも言われています。この画像を記録する層(感光層)を保護するための保護層が表面に塗布されており、この層もゼラチンで作られています。すなわち銀塩写真フィルムは、0.1mm前後の厚みのプラスチックフィルムにゼラチンでできた薄膜が何層も積層された構造をしております。

 

また、ゼラチンはゼリーとして食用にも使用されていますが、柔らかくて脆い材料です。銀塩写真フィルムの技術で厄介なのは、ゼラチンは感光層に必須の材料でありますが、乾燥すると簡単にひび割れたり、現像処理過程で傷がつきやすいという問題を抱えていることです。銀塩写真フィルム開発の歴史は、画像形成技術以外にゼラチンの脆さとの戦いの歴史でもありました。

 

この柔らかくて脆いゼラチンを硬くするために、ゼラチンへシリカゾルという硬い超微粒子を分散する技術が開発されました。シリカゾルを分散したゼラチンは硬くなりましたが、さらに脆くなりました。そこで脆さを改善するためにラテックスと呼ばれる柔らかいゴムの超微粒子をシリカゾルと一緒にゼラチンに分散する技術が新たに開発されました。

 

このようにしてゼラチンの柔らかさと脆さを改善するための技術開発が続けられ、シリカゾルとラテックスの組み合わせで製品の品質を維持する技術が1990年頃まで使用されてきました。

 

しかし銀塩写真フィルムの現像処理時間が短くなるにつれ、銀塩写真フィルムを搬送するスピードが速くなり、それまでの技術では擦り傷が目立つようになりました。また、乾燥速度も速くなりひび割れしやすくなりました。すなわち、単純にシリカゾルとラテックスを組み合わせてゼラチンに分散するという技術では、現像処理の時間を1分以下にすることができません。

 

<明日へ続く>

カテゴリー : 連載

pagetop