2013.03/11 弊社の問題解決法について<53>
思考実験はニュートンにより始められた、と言われていますが、案外遠い昔から無意識に行われていた方法かもしれません。それをニュートンは無意識ではなく意識的に行い、それを発明のために良い方法だと気がついたマッハは、弟子のアインシュタインに教えたのでしょう。
祖先が無意識にやっていた経験に基づく問題解決を、科学の時代には科学的方法論でまとめ上げ、それを教育というシステムの中で伝承するようになり、本来人間に備わっていた勘や心眼による方法が軽視されるようになりました。
しかし、山中博士のノーベル賞を受賞した研究から、勘や心眼が持っている問題解決力のポテンシャルを改めて見直しても良いのではないでしょうか。幸いなことに勘や心眼は日常の生活の中で鍛えることができます。さらに、本書で紹介しました問題解決法は、勘や心眼を鍛える道具として使えます。
従来の問題解決法が役に立たない、と否定しているのではありません。そもそも問題を解くとは、答がある問題について答を実現するアクションを考えることなのです。問題そのものを科学的に分析して答を導き出すという行為は、科学者が答を見出すために行う一つのプロセスなのです。従来は問題を解く意味と答を見出すプロセスをごちゃまぜにしていただけです。答を見出すのに、科学的プロセスも使えますが、科学の無い時代のように勘や心眼、さらに経験までも使うことができるはずです。
<明日へ続く>
カテゴリー : 連載
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