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2013.11/04 昨日の日本シリーズ(2)

楽天が優勝してしまいました。MVPは無失点で日本シリーズ2勝した美馬投手です。そして驚いたのは9回に田中投手が投げたこと。ファンサービスにしてはやり過ぎです。しかし、田中投手の投球には、少しヒヤリとしました。

 

この日本シリーズで楽しめたのは、星野監督、男・仙一の采配です。第6戦でまさかの敗退。先行された2点は取り返し可能な得点圏内でも田中投手の希望に添って9回まで投げさせた。リスクを敢えて選んだ指揮官に7回以降0点で抑えて応えたその力投。田中投手を研究し尽くした巨人打線を気迫で押さえ込みました。そして第7戦では本人の志願により9回の登板。

 

さすがに疲れていたのか150キロ台は出ませんでしたが、得意のスプリットで走者を出しながらも0点で抑えた。小学校時代バッテリーを組んだ巨人坂本選手には3球ともスプリット。リアルタイムに投手の投球が説明される現在のシステムのおかげで鳥肌が立ちました。昨日の試合内容を考えると巨人は相当に田中投手を研究していたことが伺われ、この日の9回もランナーを出しながらの展開、その中で彼を3球3振で抑えたところはドラマとして、できすぎです。坂本選手の現在の状況ではファールで粘って投手を苦しめるか、あるいはフライでアウトになるのかが自然の流れのような。

 

確実に勝てると思っていた第6戦を落とし、160球も前日に投球していたら常識的には起用しない。また投手の立場でも疲労は本人が一番分かっているわけだから、負けたら大変な試合で志願する行動などできない。多くの人がその筋書きを期待していても常識ではあり得ない展開で、単にファンサービスという説明では語れない仰天のドラマでした。

 

この日本シリーズは想定外の筋書きでありながらドラマとして最高の展開にできた立役者は、ここぞというところでセオリーを無視した大胆なリーダーの采配と、それにチーム一丸となって応える理想的な組織プレーだったと思います。また、第7戦の田中投手の志願は、日常がセオリー通りのマネジメントで形式的な思考のリーダーであったなら、起こりえなかったことと思われます。

 

ISOの普及でビジネスがマニュアル化し、またマネジメントに関する勉強会も盛んに行われ、日々の組織運営が形式的になってしまっているのではないかと感じています。田中投手ははじめからスーパーヒーローではなく、彼より先行してイケメンのハンカチ王子というキラキラヒーローに隠れていた時代がありました。スーパーヒーローを育てる風土は常識やセオリーにはとらわれない大胆で情熱的なリーダーにより作られる、と思います。人を育てる風土からMVPの美馬投手も生まれたのではないでしょうか。

 

カテゴリー : 一般

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