2013.11/26 中国のお客様の品質感覚
昨日まで中国の華南にある某会社に依頼されコンサルティングをしてきた。日本企業とは取引が無く中国国内の市場で成功している樹脂会社だが、そこで生産されている製品品質は日本の100円ショップのそれよりも劣っていた。しかし、それでも中国国内の市場で成功しているので中国のお客様の品質基準を満たしていることになる。
市場で成功していても経営者はそれなりの問題意識を持ち依頼してきたわけだから、向上心は旺盛である。恐らくこのような企業は指導すれば、1年程度でそこそこの品質を作れる会社になる可能性がある。
問題は、中国市場のお客様の品質感覚である。上海のデパートの樹脂製品は、海外製品が多いので品質がそれなりに見えた。しかし華南の市街にある雑貨店に並ぶ樹脂製品の品質は日本の100円ショップよりも明らかに劣っている。それでいて日本の100円ショップよりも値段の高い製品が存在する。このような市場へ同価格で高品質の製品を投入すれば確実に目立ち、さらに売り上げを伸ばすだろうと思った。
しかし、朝早く帰路の空港の喫茶店でサンドウィッチを頼んだら、待たされたあげくとんでもない見栄えのサンドウィッチが出てきた。食パンの端部(みみ)が使われているのだ。さらに目玉焼きとハムがはさまれているのだが、それが焦げている。炭にまでなっていないが黒焦げだ。店員にクレームをつけたかったが、複雑な中国語を話せない。
100円ショップの樹脂成型品よりも品質の劣る製品が売れる国である。焦げた目玉焼きやハムなど平気なのだろう。さらに食パンのストックが無かったから昨日の残りのみみでサンドウィッチを作ったのは良いアイデアとでも思ったのかもしれない。毎晩接待されたレストランは日本以上のサービスもあり高品質であった。品質のばらつきの大きな国である。このような国で売れていても自社の品質に問題意識を持った社長は優れた経営者だろう。
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