2013.12/11 鶏ダンゴと混練
昨日まで豚ダンゴの作り方を書いたが、ヘルシー指向の方は豚のミンチの代わりに鶏のミンチを使うと良い。但し、鶏肉を使っても、このおからを使用したダンゴはつくねのように硬くならず、ホクホクとした柔らかさの特徴を失わない。
配合は豚肉を鶏肉に変更するだけではだめで、ニンニクの代わりにショウガとシソの大葉10枚を使用する。すなわちおから250g、卵2個、鶏のミンチ350g、小麦粉10-20g、塩小さじ1杯、ショウガ少々(チューブ入り7cm程度)、シソの大葉10枚をみじん切りにしたもの、コショー適量、粗挽きコショー適量、味の素適量である。
おからをブレンドするところまでの手順は、豚ダンゴと同じである。鶏ダンゴの混練のポイントは、シソの大葉のみじん切りを加えるタイミングである。シソの大葉のみじん切りは、それ以外が均一に混練された段階で加える。すなわち混練過程でシソの大葉が受けるダメージを最小限にしたいのだ。
この考え方はガラス繊維補強樹脂を混練するときにも応用されている。すなわちガラス繊維の供給は、二軸混練機の中間当たりから連続繊維の形態で供給し、繊維を樹脂に分散するスクリューのセグメントにはニーディングディスクなどの剪断力の高いスクリューを使用しない。伸張流動で繊維を分散するようにスクリュー設計している。
鶏ダンゴ程度では、この手順で問題にならないが、ガラス繊維補強樹脂ではガラス繊維にダメージを与えないような混練の仕方が品質問題を起こすことがある。すなわち繊維の分散不良である。見かけ上均一に分散しているように見えてもL/D40前後の二軸混練機の中央からガラス繊維を供給しても十分な分散はできない。しかし、分散効率を上げるために剪断流動を優先した場合には繊維が受けるダメージが大きく、繊維の補強効果が落ちてしまう。
ガラス繊維が混練でダメージを受け補強効果を失う様子は、鶏ダンゴでシソの大葉を最初に添加してみるとわかる。できあがった鶏ダンゴの味は、ショウガの香りが強く、シソ味が無くなっている。鶏ダンゴはシソ味が無くなってもおいしいが、繊維補強樹脂では弾性率が低下し使い物にならなくなる。この添加タイミングでシソ味が少なくなる現象から混練でかなりの剪断力がかかっていることを理解して欲しい。
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