2014.01/28 科学的に明確でない問題を解く方法
高純度SiCの合成方法は1983年に生まれた。そしてその合成方法は6年間という開発の死の谷を乗り越えゴム会社で事業化され現在まで続いている。しかし1980年代にシリカ還元法の反応機構が明確になっていたわけではなく、さらに前駆体の合成条件に至っては、高分子の相溶で有名なフローリー・ハギンズ理論で否定される反応だった。
ところがこれらの科学的に明確になっていない問題を解き1週間で製造技術を創りだした。この例に限らず、最近ではノーベル賞を受賞したヤマナカファクターの発見も同様にiPS細胞を製造する因子発見という科学的に明確になっていない技術を創り出した例がある。
科学的に明確な問題は、科学的に解いてゆけば必ずゴールにたどり着ける。しかし、科学的に不明確な、あるいはできるかどうか分からない問題をどのように解いたらよいのか。一度科学的に不明確な問題を技術で解く経験をするとその一般則が見えてくる。
ただし誰でも見えてくるのではなく、科学と非科学を明確に意識して解いたときにおぼろげながら見えてくる。そしてそれを数回経験すると科学的に解決が難しい問題でも技術で解く事ができる自信が生まれる。
マッハは「マッハ力学史」の中で、科学的に明確になっていない問題を解く方法を示している。またイムレラカトシュは「方法の擁護」で、科学で容易にできるのは否定証明だけ、と明快に、科学的に不明確な問題を科学で説くのは難しいことを述べている。
弊社では、科学的に明確ではない問題を解く方法を指導しているが、この方法は科学的な問題でも解くことができる。ご興味のある方は問い合わせて頂きたい。この方法についてはゴム会社で経験を積み、写真会社でリーダーの立場で当時は専門外であった領域(注)で実践したところ多くの成果を出すことができた。
退職後、写真会社で実践した方法を豊田中研を退職されコンサルティングをされている方にお話ししたら、その方法は「マッハ力学史」に書かれている、と教えられた。あわてて「マッハ力学史」を書店で探し英語版を見つけて読んだら、確かに一部書かれていた。
そこで改めて世間の問題解決法について勉強しなおしまとめたのが弊社の研究開発必勝法プログラムである。
(注)転職当時はセラミックスや無機材料の専門家として活動していた。その後取得した学位で論文の半分は高純度SiCに関するテーマで単結晶に関しても少し触れている。写真会社では高分子技術の開発を担当した。20年間担当した結果、高分子の専門家としての執筆依頼や講演依頼が多い。来月2月には技術情報協会から依頼され高分子の難燃化技術について考え方を中心に講演する。また6月には高分子学会から招待講演を依頼され混練について講演を行うが、無機材料から有機材料まで、あるいは高度なノウハウが要求される分野まで弊社の問題解決法は何でも対応できます。
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