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2014.03/08 古くて新しいセルロース(2)

セルロース(繊維素)は、(C6H10O5)nという化学式で表される多糖類の一種であって、棉、木材、その他植物体を構成する細胞膜の主成分として、高分子量体のまま地球上に豊富に存在している。

 

空気中の炭酸ガスと水分から、太陽エネルギーを活用する光合成という光化学プロセシングにより自然界で大量に合成されている。ゆえに資源は無尽蔵といってよい。一年生草本などの植物のセルロース含量は、10-25%、木材では40-50%、亜麻、黄麻、大麻などでは60-85%であり、これらは重要なセルロース源として活用可能である。

 

セルロースという呼び名は、1840年頃木材から繊維状の物質が初めて単離されたときに、その物質につけられた呼び名で、今日では化学用語として定着している。

 

理論的には、あらゆる植物からセルロースを単離、抽出できるが、実用上は経済的要因に左右され、工業的に製造されるセルロース誘導体用のセルロース源としては、棉リンタおよび木材パルプの二つが主体となっている。そして紙、繊維、フィルム、プラスチック、塗料、接着剤、火薬などのセルロース化学工業用原料として活用されてきた。

 

最近はミドリムシからも多糖類が抽出され注目されているが、こちらはパラミロンと呼ばれる物質である。多糖類の工業材料としてセルロースは多方面で使用されてきたので天然高分子で大変な合成プロセスであっても価格はポリ乳酸よりも安価である。

カテゴリー : 一般 連載 高分子

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