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2014.03/25 高分子のレオロジー

かつて高分子のレオロジーについてはダッシュポットとバネのモデルで研究を進めていた時代があった。今このようなモデルは使われなくなったが、材料設計の分野では結構便利な考え方であった。

 

特に粘弾性試験を行い、その結果を用いて材料設計を進めようとするときに、ダッシュポットとバネのモデルで材料をイメージすると分かりやすい。30年以上前に防振ゴム材料の開発を担当したときに、数値計算の方法も含めその考え方の指導を受けた。

 

その時その考え方は、電気回路における抵抗とコンデンサーのモデルからきている、とも教えられた。多くの高分子は絶縁体であり、その電気特性を研究するためにインピーダンスが測定されていた。もっとも高分子に限らずセラミックスも含め誘電体材料はすべてインピーダンスを測定しなければその特徴を理解することができないのだが。

 

この誘電体の電気特性を考えるときのモデルからレオロジーのモデルは考え出された、と説明を受けて納得した。そしてこの方法は将来使われなくなるだろう、という予言まで聞いた。予言の根拠は高分子のクリープという現象がバネとダッシュポットのモデルで説明することができない、というものだ。

 

それから10年以上すぎて、高分子学会の報告でバネとダッシュポットのモデルがめっきり少なくなったことに気がついた。当方は、社会人になって3年弱高分子を扱ったが、その後10年間はセラミックスの研究開発を担当していたので学会におけるレオロジーの変化にはびっくりした。指導社員の予言通りの変化であった。

 

カテゴリー : 一般 高分子

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