2014.04/20 おからのポテトサラダ風
昨日WEBで表題のレシピを見つけて作ってみた。おいしかった。このレシピに着目したポイントは、おからハンバーグを工夫していたときに採用したおからを炒る工程。このレシピでは、コンソメスープを入れて炒めるプロセスになっている。ふっくらとした炊きあがりになり、マヨネーズ、キュウリその他とあえるとおいしいポテトサラダができあがる。
フライパンで炒る工程が少し難しい。おからハンバーグで一度失敗しているから今回はうまくいったが、レシピにはそのあたりについて書かれていない。どこが難しいのかというと、おからは多糖類なので焦げ始めると一気に焦げる。ゆえに火加減と炒めどころである。250gのおからを炒めるときに中火で10分以内に終わることである。また時間が短いとうまくおからに火が通らずホクホク感を出せない。このレシピにはそのあたりを詳しく説明していないが大事なプロセスである。タグチメソッドで最適化すべきかもしれない。
たかが料理であるが、ここは高分子の難燃化技術の知識を活用し、品質工学の煩雑な手続きをスルーする。かつて砂糖をチャー生成剤としてポリウレタンの難燃化に使用したことを思い出す。当時サンプルを保管していたところ、アリがたかってきたので建材への実用化が難しい、と判断したが、おからなら使えそうである。なぜ当時おからまでアイデアが展開されなかったのか残念である。
その後多糖類を難燃剤に用いる特許が他社から出された。半導体用高純度SiCの事業化を一人で担当していたときで、毎日だだっ広いパイロットプラントへ一人で出勤し、先の見えない状態で苦しんでいた。取締役からしばらく他部署のお手伝いをしたらどうだ、とアドバイスをうけ、一日の半分は現業に役立つ企画をしていた。たまたま取り寄せた特許にその技術があった。
二十代は視野が狭かった。これも未熟と言われる原因である。若い頃自分では広いつもりでいても、今から考えると恥ずかしくなるくらいに狭かった。今ならば砂糖からおからやミドリムシまでイメージが広がりこれでも満足していないが、当時はデンプンからご飯までしかすぐに頭に浮かばず、技術を諦めていた。多糖類については大学の教養部の化学で半年も学んでいたが、おからやミドリムシは出てこなかった。
若さの問題は興味を持たない限り深掘りをしない習慣にある。年を重ねある時期から興味とは無関係に技術をまとめる習慣になる。すなわちコンセプトを重視し、コンセプトを明確にするために興味の無い周辺技術まで深掘りをする。年寄りが若い人よりも物知りなのは興味だけで知識を獲得していないからだ。この感覚は30を過ぎないと理解できない。昔は30過ぎると「オッサン」「オバサン」と呼ばれた。今は30過ぎても未熟と呼ばれる。未熟と呼ばれるのは20代で卒業したい。
アリがたかったポリウレタン発泡体の技術は、未熟な技術者ゆえにそれ以上改良されることなくお蔵入りとなったが、燃焼試験で観察していたチャー生成現象は、おからを炒るときにおからを焦げさせない工夫として活かすことができた。
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