2014.04/28 フィルム成形と押出機(4)
押出機については樹脂を押し出す機能だけを考えた方がシステムを組みやすい。すなわちコンパウンディングは混練機で行い、押出機では、それを均一に再溶融して押し出す機能だけ考える。混練機の練りが浅いから、という理由で押出機に混練の機能を持たせる考え方とは異なる。
もし押出機に混練の機能を持たせたいのなら、単軸押出機を二軸押出機に交換し、徹底して混練を行うようにするが、単軸押出機で二軸混練機のコンパウンディングで不足した練りを補うことを考えない方が良い。単軸押出機を使用する場合には、樹脂温度の均一化に配慮することが大切で、高分子にさらに練りを加えるプロセスを考えない。
前工程で混練が完了していることが重要である。もし押出成形の段階でコンパウンドの練りが浅いという問題が発生したならば、混練工程でその問題を解決する。理由は単軸押出機で仮に問題解決できたとしてもロバストの低いシステムになる可能性があるからだ。
高分子の中にはフィルム成形で混練工程が不要と思われている材料も存在する。あるいはフィルムに機能性や高い品質を望まない場合には押出機に樹脂を投入する前に混練する必要はないかもしれない。その様な場合に押出機の中で混練もやってしまおう、という考え方は当然出てくる。この場合には押出機の中で混練が完結していることを確認しなければいけない。中途半端な混練状態で押出機のシステムを立ち上げた時にはフィルム品質はばらつく。
例えばカーボンを高分子に分散し、10の9乗レベルの半導体フィルムを製造するときに、十分に混練されていない場合には抵抗のばらつきが発生する。混練工程で十分に混練し、安定した抵抗となる状態のコンパウンドを用いたほうが良い。
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