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2014.07/08 混練機

かつて日本には押出機や多軸混練機のメーカーが多数存在した。その何社かは廃業し、現在残っているメーカーは、それなりの特徴のあるメーカーである。根津にある小平製作所はロール専業メーカーとしてスタートし、現在は工作機械や各種プロセス機械も扱っている。

 

混練プラントを建設するときに建屋の費用以外にどれだけかかるのか。例えば1t/h程度の混練機を用いた場合に2億円前後あるいはそれ以上の見積もりが出てくる。この価格が妥当かどうかの判断力は、各社の生産技術を担当する技術者の力量に依存する。かつて1億円以下で混練プラントを建設した経験から、この世界も水商売だと思った。

 

信頼性が価格に入っている、とある営業担当が言っていたが、1億円以下でも退職までトラブル無しで稼働していた。1億円以下で担当してくれたのは日本の中小企業だが、他社が倍以上の見積もりを出してくる中、もの凄い根性を見積もり書から感じた。計量フィーダーも手抜きをせず一流品を使用していた。

 

先日中国の混練機メーカーを見学し、腰が抜けた。日本の1/5以下の価格で二軸混練機が販売されているのである。しかも納期は2-3ケ月とのこと。見学した工場には、完成した二軸混練機がずらっと並んでいた。説明を聞くと、シリンダーやスクリューの加工プロセスが日本のメーカーに比較し劣っていた。HIP処理を行っていないのである。

 

しかし、溶接部分やその他の加工を見ても中国品質としては丁寧な仕上がりで、その値段の安さが光っていた。500kg/hの吐出量の混練機の価格は、発売されたばかりのレボーグGTS300馬力一台購入できる程度である。スペックを見る限り、ガラス繊維などのフィラーが添加されていないコンパウンドであれば無理なく混練できるのではないだろうか。

 

スクリューセグメントもフルフライトスクリュー、各種ニーダーローダーからローターまで揃っている。形状や仕上げを見てもPEやPPなどのコンパウンドを問題なく混練できると思われる。そしてその実績もあるとの説明を受けた。日本では見かけたことの無いメーカーだが、欧米の有名な混練機メーカーの技術者がスピンアウトして設立した会社だという。

 

そしてグループ会社にはフィーダーのメーカーも存在し、この企業グループに頼めば5000万円以下でも新品の混練プラントを作れそうである。驚異的である。中国の技術進歩は二軸混練機にも見ることができ、産業用機械の分野では日本の技術に肉薄してきた。

 

 

カテゴリー : 一般 高分子

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