2014.07/12 混練技術(4)
神戸製鋼所が本格的に二軸混練機の開発を始めたのは、Farrel社から技術供与を受けた1970年頃と聞いている。1980年代前半にはL/Dの大きいLCMシリーズを開発している。
このLCMは混練部が3つの領域を持つ3翼の断面のロータ型スクリューで構成されている。最初にフルフライトの送り部、次に順送りと逆送りロータを有する混練部、ロータ部の末端には再び混練部がある。
以上は営業担当から昔受けた説明であるが、神戸製鋼所のロータは、剪断混練を行うときに重要なスクリューセグメントである。世界的ブランドのコペリオンではロータは大きなピッチのスクリューエレメントとして考えられているのか、神戸製鋼のそれと比較すると見劣りがする。
コペリオンでは、ロータよりもニーディングディスクに力を入れているようで、工場にはダブルフライトのニーディングディスクや昔懐かしいおにぎり型の三条ネジのニーディングディスク、およびそれらの特殊型が多数置いてあった。
ロータとニーディングディスクどちらが良いのかは混練物に依存するかもしれないが、神戸製鋼のロータの混練性能は高い。コペリオン社ではダブルフライトニーディングディスクは、チップクリアランスを大きくすることによってディスクチップ間における材料への過度の剪断応力を減少させ、チップ通過量を増大させて均一な混合物を得るように工夫したセグメントである。類似のセグメントに可塑化時における剪断応力のピークを避ける目的で考案されたシングルフライトのニーディングディスクがある。
コペリオン社には神戸製鋼のように特徴あるロータセグメントは無いが、様々な形状のニーディングディスクがあり、これらを組み合わせて樹脂材料の混練に最適なスクリューセグメントを決められるようになっている。ややマニアックな話になったが、この約30年間の二軸混練機の進歩をスクリューセグメントの紹介で示した。スクリューセグメントの考え方は各社各様なのである。
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