2014.08/11 賞味期限切れ販売
格安航空会社スカイマーク社(SKY社)で賞味期限切れ商品を販売したという。カップラーメンとコンソメスープの賞味期限切れ商品なので大事には至らないだろうが、ここのところJAPANブランドの商品品質の問題記事が多い。
35年前にゴム会社に入社して一番感動したことは、社是「最高の品質で社会に貢献」とその社是を実行するための徹底した教育である。それでも小さな品質問題は起きる。
入社して間もない頃、スノータイヤのゴム部材に金具の破片が入ったかもしれない、という品質問題が発生した。品質問題のタイヤのシリアル番号は、ある範囲で分かっており、北海道へ出荷されたことまで追跡できていた。すぐに問題を起こした班の作業メンバー全員が北海道へ飛び、梱包されたタイヤを開梱し、お客様へ商品が渡る前に全品回収したという。
当時スパイクタイヤがスノータイヤとして使われており、スパイクの本数が現場で一本不足していたのでこの騒ぎが起きた。不足していたスパイク一本が本当にゴムの中に入ったかどうか不明である。それでもその不足した問題が関係していたタイヤをすべて回収廃棄したのである。
製造現場では、INPUTとOUTPUTが厳密に管理され、異常があれば徹底して対応し、品質の維持に努める。これがJAPANブランドの高い品質を支えてきた。最近その伝統が揺らぎつつあるが、品質問題を起こしているのは、限られた会社だけのようにも見える。
品質問題が起きてもそれを隠さず公開しているだけでもまともである、という論評が聞かれたりするが、かつてはお客様の手前で問題発生を阻止するという姿勢が基本だったはずだ。三菱自動車のリコール隠しの問題あたりから、このような論評が出てきたように思うが、品質問題について日本全体でタガが緩んできているように感じている。
格安航空会社のビジネスモデルは機内食などのサービスを削りコストダウンするとともに、機内販売を充実させて利益を上げるビジネスモデルだった。しかし、その機内販売される品物の品質も低グレードという評価が定着したならば、利益を上げようとしているビジネスモデルが崩れてしまう。
すなわち、商品の品質確保は利益を確保するために重要な活動の一つであり、そこに問題があったなら、経営者は他の活動も一緒に点検した方が良い。おそらく飛行機の点検品質にも問題が見つかるはずである。品質問題というのはそのような性質の問題である。
カテゴリー : 一般
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