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2014.08/30 餅つき

子供の頃、夏休みでも餅米が手に入ると餅をついていたような記憶がある。夏の餅つきはともかく年末の餅つきは年中行事の一つであった。家を新築してから、餅つきに使用していた広い土間が無くなり、使っていた石臼が新しくできた庭のオブジェになったために餅つきの行事は無くなった。親類からの頂き物は、お祝いでなくとも赤飯を炊くのに使われた。

 

餅つきは子供の頃の楽しい思い出の一つだった。餅はネバネバ物質であるが、なぜか触れることも食べることも抵抗がなかった。生まれたときから接していたためだろう。餅つきをやってみたいと思っていたが、残念ながらいつも見ているだけで、餅をつくのは父と兄の役目だった。

 

餅を返すのは姉の役目で、母は蒸す係だった。当方はつき上がった餅をつまみ食いしながら成形する仕事をたまに担当していた。つまみ食いが多いので、毎年途中からお役御免になっていた。

 

餅つきで面白かったのは食紅を添加するときれいな桜色のお餅ができあがることだ。杵でただついているだけである。返しの操作で混ぜるプロセスもあるのだが、食紅の分散に大きく寄与しているのは、杵でついたときである。

 

杵でついたときに食紅は全体に広がる。その様子は見ていて不思議だった。今ならば剪断流動と伸張流動が同時に働くカオス混合のような混練プロセスだから効率が良い、と理解できるが昔は不思議だった。

 

この時の思い出は、退職前5年間担当した電子写真のキーパーツ開発で大いに役だった。中間転写ベルト用コンパウンドの生産ライン短期立ち上げや難燃剤を用いないUL94-V2通過の内装材開発という成果に結びついた。後者は回収PETボトルを80%利用した環境樹脂である。この回収PETボトルを用いた樹脂開発の仕事は退職後社長賞を受賞したとの知らせが元同僚から届いた。

カテゴリー : 一般 高分子

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