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2014.10/12 諦めない技術開発(3)

上手くいっていない研究テーマに対して中止の判断をするのは、そのテーマをうまくゆくようにマネジメントするよりは簡単である。STAP細胞の騒動では理研所長は難しい道を選んだのである。理研所長は研究経験豊富な方なので、STAP細胞ができなかった時のリスク、特にご自分の晩節を汚すようなことになることを承知で今回の決断をされたのである。

 

この理研所長のような管理者により、多くのイノベーションが生まれてきた。そして、その所長の決断を促したのは、小保方さんの熱意であることは、新聞にも書かれているとおりである。小保方さんが誠実で真摯な研究者であることをただ祈るだけである。

 

企業の研究開発で理研所長のような決断をすることは難しい。しかし、うまくいっていないテーマでどうしても中止しなければならない状況になった時に、管理者はテーマ担当者とよく話し合っていただきたい。そしてテーマ担当者がどうしてもそのテーマを継続したい、という決断を変えないならば、経営に影響が出ない程度に大幅に縮小してテーマを継続できるようにマネジメントすべきである。

 

一方、テーマ担当者がそれではやりたくないといったなら、中止すべきである。決してここで担当者を激励してはいけない。担当者は責任を放棄しているのである。責任を放棄するような人物に重要なテーマを任せてもうまくゆくはずがないのである。

 

予算も0で、別のテーマを担当しながらアンダーグラウンドでもテーマを継続したいと担当者が述べたなら、管理者は担当者と心中するつもりで、とりあえずテーマを中止し、アンダーグラウンドでテーマを遂行することを経営陣と調整するのである。

 

このとき大切なことは全く調整しないで完全にアンダーグラウンドでテーマを継続してはいけない。管理者がいつ人事異動するかわからない時代に経営陣に隠して仕事を進めるのは人材の無駄遣いとなる。

カテゴリー : 一般

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