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2014.11/04 問題解決プロセス(2)

その日は統計パッケージの英文マニュアルを分担して持ち帰り、翌日担当部分を発表しあって内容を共有化することにした。翌日指導社員を司会者に英文マニュアルの順番でそれぞれの担当分をプレゼンテーションしたのだが、単なる英文和訳の確認作業に終わった。

 

ところで、という言葉が発せられ、当方に視線が集まった。しかし3ケ月の研修の学習効果でこのような展開を予想していた。あらかじめ英文マニュアルを全部読み、重回帰分析と主成分分析が使えそうだ、という感触をつかんでおいた。

 

重回帰分析が使えそうで、もし説明変数が一次従属で無ければ主成分分析と組み合わせて使えば良い、と発言したらすぐにやろうということになった。体育会系は、方向が決まれば、すぐに行動に移るのが特徴である。理解は二の次である。また、誰かが何とかするだろうという楽観論者でもある。

 

とにかく集められたデータをマトリックスに整理してカードパンチャーを使いインプット用のデータカード一組に仕上げた。当時のコンピューターは大型の機械を端末で操作し、TSSで使用する仕組みだった。データのインプットはカードリーダーで行うために必ずカードパンチャーを操作する必要があった。

 

データのインプットは何とかなったが、統計パッケージの操作では端末を前に一日悪戦苦闘することになった。マニュアルどおり操作してもエラーを起こすとコンピューターが英語でいろいろと質問してくるのだ。英文を和訳することができても操作の意味が分からないから先に進めない。

 

そもそも多変量解析を十分に理解せず、いきなり統計パッケージを使っていることが作業を難しくしている原因である。これは体育会系の典型的な問題解決プロセスでよくある状況で、行動すれば必ず何か答えが出ると信じている。コンピューターは何も考えず、指示された計算結果を素直にはき出すだけだ。当方はこっそりと作業を抜けだし図書室へ駆け込んだ。

 

カテゴリー : 一般

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