2014.12/05 「焼きそば」に虫、というツイッター
インスタント「焼きそば」にゴキブリのような物質が入っていた、というツイッターが12月2日に掲載され、それが大騒ぎになっているという。さらにツイ-トした若者は、その焼きそばメーカーからツイッターを削除するよう頼まれた、というから驚きだ。
ツイッターで容易に情報が拡散する時代では、情報を隠すのではなく正しい情報を発信するようにメーカーは努力しなければ信頼されなくなる。このような場合むしろメーカー側は積極的に情報を開示し、調査結果までツイッターで答えるべきだろう。たとえ本当にゴキブリが入っていたとしても消費者はその真摯な姿勢に感動し、一瞬売り上げは落ちるだろうが、すぐに回復すると思われる。
今回の処置を誤った群馬県の食品会社の商品は、焼きそば以外の商品まで売れなくなる可能性がある。ゴキブリという虫は神出鬼没の昆虫であることはよく知られている。我が家では至る所に市販のホウサン団子を仕掛けており、その姿を見かけないようなおまじないをしている。しかしそのような努力をしていても、1年に1-2回は見たくもない顔を見ることになる。
今食品は工場で作られる時代である。ゴキブリの一匹や二匹混入しないのが不思議である。これまでの体験から稀にゴキブリが入っている食品が製造されている状態が自然で、それが市場で騒がれないようにもみ消し努力をしているのではないかと疑っている。絶対にゴキブリが入らない食品工場というフレーズは信用できない。
一つの理由は管理の厳しいフィルム工場でゴキブリを見つけた経験があるためである。工場の構造から絶対に入る事ができないはずなのに不気味な彼はいた。ゼラチンは彼の大好物なのだ。腹一杯だったのか動きが鈍く簡単に抱き上げることができ、大切に二重三重の袋に密封しビニールテープでさらに巻き上げ、ゴミ箱へ入って頂いた。
二つ目は、楽しかった単身赴任中の思い出したくもない思い出である。大抵の休日は東京の自宅に帰っていたが、たまたま仕事の都合で休日単身赴任先で昼飯を食べることになった。簡単に済ませるために近くのコンビニでパンを買って食べたが、そのパンの中に、昆虫の足のような物質が入っていた。関節が一つあり、つまむと動かすことができた。紛れもなく彼の身体の一部である。
戦慄の瞬間である。すぐにそのパン製造メーカーに電話をかけたら、「保健所に届ける前に分析させて欲しい」と言われた。1時間ほどで菓子折を持った中年の誠実そうな男性が駆けつけた。
「分析をするまでもなく****の足だ」と当方が言ったら、「このようなパンの焦げた状態の物質は製造工程で混入することがあるので分析結果を待って欲しい」と、「パンの焦げ物質」論を展開し目の前の事実を認めない。そして用意していたビニールの袋の中へ彼の足を丁寧にしまい、「電話代です」と10円を置いて帰っていった。
誠実そうな中年が、その後どのように処理するのか興味があったので騙されてみたのだが、夕方そのメーカーから電話があり、分析担当と名乗る女性から「パンの焦げた物質でした。ご安心ください」と丁寧にうその説明があり、そのままである。当方は彼の片足を保健所へ最初に届けなかったことを後悔した。
自動車にはリコールという制度があり、積極的に自動車メーカーが品質問題を公開するような仕組みになっている。それは品質問題が大きな事故に結びつくためだが、食品も本来リコール制度のような仕組みにすべきだろう。そうすれば食品事故をもみ消そうなどという発想は起きなくなる。
「焼きそば」騒動のその後が気になった。果たしてメーカーは最後まで隠し続けるのか、結果を公開するのか?一方で保健所からは自主回収の指導が出されており、ようやく昨日(4日)の夕方該当商品を回収するとのニュースがWEBに流れていた。これだけ騒ぎが大きくなる前にすぐに対応すべきだったと思う。
自動車のリコールの数に対して食品事故の報告は圧倒的に少ない。これを科学的にどのように捉えたら良いのか?食品の包装には、異常があったらお客様相談センターへ電話するように書かれているが、消費者は、異常があればすぐに保健所へ届けるようにするべきだろう。食品の異常は食品メーカーのお客様相談センターへ相談してはいけない。
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