2014.12/22 高分子の難燃化と評価技術(6)
高分子の難燃性を評価する技術は、いろいろ開発されてきた。それらをすべてここで解説をしない。大切なことは、それら評価技術の細かい知識を習得するよりも、市場で要求される難燃化規格についてその知識を深める努力をした方が実務上役立つ。
ゆえにそれぞれの業務に必要な評価法を調べていただくこととして、ここではそれを活用するときのポイントを説明したい。
火災で高分子が燃える、という現象は、火源により高分子が熱せられて温度が上昇し、添加物や高分子の分解物がガス化、そしてその酸化が激しくなり、燃焼に至る。
この時酸素不足となれば、酸化が終結し火が消える。高分子の構造に二重結合を形成しやすい要因や脱水素を促進する触媒機能を示す添加剤やラジカル補足剤が存在すれば高分子は炭化する。
ここで生成する炭化物はチャーと呼ばれ、燃焼している面で発泡したチャーが形成されると、それが断熱層になり燃焼が停止する。
この燃焼の各段階すべてを一度に評価できる技術は、最初に述べたように大変難しくなる。ゆえに世の中に存在する難燃化規格では、燃焼現象の一部のプロセスを評価していることになる。
この燃焼という現象をすべてモデル化して記述できれば、実火災のシミュレ-ションが可能となり、一部それが成功しているが、材料設計にそれを活かすことができるかどうかは、別の問題がある。
カテゴリー : 高分子
pagetop