2014.12/28 ES細胞混入の可能性
STAP細胞の騒動について理研の調査委員会はES細胞の混入可能性を指摘し、それがどうして起きたのかという解明までは委員会の限界として結論を出さなかった。またその理由の一つに実験室には誰でも入れる可能性を挙げていた。
ES細胞がSTAP現象で出現したのか、誰かがES細胞を混入させたのかについては、前者を否定している見解だった。後者は小保方氏の否定により小保方氏以外とされた。このように組織内の事件についてはこれ以上の捜査ができないというのは、20数年前経験した騒動と同じである。
S社とのJVである半導体用高純度SiCの事業が立ち上がり、一部の時間を割いて担当していた電気粘性流体の仕事(注)を離れようとしていた矢先に、データを書き込んだFDへ当方が触れることが出来ないFDのデータをコピーされるなどの出来事が続いた。
当方はせっかく立ち上げた事業の存続も含めあるべき姿を会社に提案し、写真会社へ転職した。自らが発明し、無機材質研究所で技術の実証を行い、2億4千万円の先行投資を受け開発開始から8年苦労して立ち上げた仕事をなぜ手放したか。
これは真摯に開発を続けてきたためであり、自分の利益を中心に活動してきたわけではないことを示したかったからである。新規事業の成功は組織メンバーで共有されるべきものであり、自己責任の問題として収拾したのである。
半導体用高純度SiCの事業は現在も継続され、転職後もこの事業にまつわる様々なドラマに当方は巻き込まれた。来年はそのあたりも活動報告に書いてみたいと思っているが、STAP細胞の騒動で理研を辞職した小保方氏にはどのようなドラマが待っているのか。
誠実さと真摯さで仕事を進めれば、必ずどこかで誰かがそれをみており、報われるといわれている。60年という短い人生の教訓としてもこれは本当だと思っている。小保方さんがSTAP細胞の実現に努力されることを期待している。当方は会社とのお約束でセラミックス技術以外の職に就くことを余儀なくされたが、彼女にはその制限は無い。
(注)オイルのレオロジー特性安定化技術や粉体設計に成果を出すことができ、多数の特許出願を行っている。
カテゴリー : 一般
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