2015.01/10 混練プロセス(6)
混練プロセスでは高分子を練る機能が重要である。低分子どおしの混合と高分子の混錬は同じ現象ではない。高分子の混練機構における分配混合と分散混合という考え方は、そのモデル化の過程で間違いを犯しているように思う。
現象をシミュレーションするためにはそのモデル化が必要になってくる。モデル化の過程で現象を左右する要因のいくつかは誤差として扱われる。本来誤差ではなく現象を左右する重要な因子であったとしても誤差にする間違いを平気で行う。
それで現象をうまく説明できれば問題ないが、ある特定の事例でシミュレーションがうまくいくとすべてそのモデルでうまくいくような説明をする人がおり、問題が複雑化する。
シミュレーションが正しくないにも関わらず実験方法がおかしいと言い出す人もいる。高分子の混錬における分配混合と分散混合を用いた解説について、実務経験を積むとこのような印象を受ける。
どこがおかしいのか。それは練の考えが入っていないことによる。表面の平らな二本の回転しているロールにゴムを挟んでも混錬は進む。この不思議な現象を眺めていると練とは何か、ということが見えてくる。
カテゴリー : 高分子
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