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2015.01/16 混練プロセス(12)

練りを行わず混合だけでゴムを製造できるポリウレタンRIMは、シリコーンLIMSよりも早くから登場しよく研究されている。1970年代にはタイヤ用ゴムとしても検討され、その究極の性能予測も行われて、ポリウレタンRIMでタイヤを作れないという結論が出された。

 

このとき何が問題になったのか。それは信頼性である。このポリウレタンRIMでタイヤを作ろうとした試みの過程でタイヤ製造技術についても再確認が行われ、タイヤ事業を今後50年続けていてもだいじょうぶだと言われた。その直後自動車業界以外の他社からポリウレタンRIMを用いたタイヤがテスト販売されゴム会社で大騒ぎになった。

 

ただクレームが多発し、継続販売されなくなったが、遊園地の車のタイヤには今も使われている。このポリウレタンRIMの騒ぎは、既存事業に破壊的影響を与える技術に対してどのように取り組めばよいのか勉強になった。

 

ゴム会社に入社したばかりの頃の出来事であり、技術と事業のかかわりを学ぶ良い機会であった。信頼性の技術の重要性を知り、この10年後にタグチメソッドに出会いそれをいち早く学ぶ動機づけになった。

 

ポリウレタンRIMでは練りを行わないが、ポリウレタンの分子設計技術がその信頼性に影響を及ぼすことが知られている。タイヤと言う商品へ技術を応用しようとして分子設計技術だけで到達できない高分子技術の世界があることがわかった。

カテゴリー : 高分子

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