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2015.01/17 混練プロセス(13)

シリコーンLIMSもポリウレタンRIMも各種添加剤が配合された液状物を混合後、モールドへ投入し、その中で反応を進行させてゴムにする。このプロセスは高分子量の配合物を混練してモールドへいれ架橋反応を行うゴムと似ているように見える。

 

しかし前者ではモールドの中で反応による分子鎖の成長も起きているが、後者では分子間の架橋反応のみで分子鎖の成長は起きていない。

 

また前者は比較的粘度が低いので高速撹拌が可能で効率の高い剪断力で均一に分散可能である。高速撹拌を行わなくてもスタティックミキサーを用いた混合だけでもゴムの用途によっては大丈夫な場合もある。

 

スタティックミキサーによる混合の問題は別の機会に述べるが、大切なことはシリコーンLIMSもポリウレタンRIMも混合だけでゴムを製造できる点である。しかし高分子量のゴムに架橋剤を分散するだけではシリコーンLIMSやポリウレタンRIMに匹敵するゴムを製造することができない。

 

高分子量のシリコーンに架橋剤を混練してミラブルタイプのシリコーンゴムを製造可能だが、本来はシリコーンLIMSよりも性能が高くならなければいけない。しかし、ミラブルタイプのシリコーンゴムがLIMSのシリコーンゴムよりも性能が低い場合もありびっくりする。

 

高分子量のゴムに低分子の架橋剤を分散するにも練りが必要なのである。練ることにより、高分子量のゴムはほぐされ、低分子量の架橋剤が分子鎖の中に取り込まれて行く。この様子は、混錬の機構が理解できると、ロール混錬で見えるような気分になってくるから不思議だ。

カテゴリー : 高分子

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