2015.03/16 イノベーション(35)素材メーカーの場合
企業の目的である顧客創造の機能として、マーケティングとイノベーションが重要と、ドラッカーの書に書かれている。マーケティングについては、多数の図書が発行され、その具体的方法を学ぶのに苦労をしない。
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しかし、イノベーションを起こす方法については、なかなか良い本が見つからない。そのため、この活動報告で書いているが、素材メーカーを例にして、具体的なイノベーションについて考察してみる。
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東レの炭素繊維技術は、日本を代表するイノベーションの例としてよく取り上げられる。確かに優れた技術開発の事例であり、イノベーションの一例であることを否定をしない。しかし、スピード感のあったイノベーションかどうかについては、その開発の歴史をみればご理解いただけると思う。
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ドラッカーは、その著書の中でこの炭素繊維の技術開発のようなイノベーションをどちらかというとよくない事例としている。企業が行うイノベーションは、もっと単純でなければいけないとまで言っている。
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おそらく、このドラッカーの見解について異論を唱える人は多いかもしれない。しかし技術開発を人類史のレベルで考察すると、このドラッカーの見解は正しいと思う。企業がその活動の中で普段行うべきイノベーションは、もっと簡単な実践で良いのだ。
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ただ、これは炭素繊維の技術を否定する意味ではない。ドラッカーの見解を深く考察すると、むしろこのような技術をたくさん効率よく生み出す方法が見えてくる。
カテゴリー : 一般
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