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2015.03/20 イノベーション(39)素材メーカーの場合

20世紀末に数多くの新素材が登場し、それらが持つ多くの新しい機能が実用化された。そして機能素材という言葉が生まれ、それらを組み合わせて機能部材の開発を進めているのが日本の素材メーカーの現在の姿である。

 

もしこのような姿になっていない素材メーカーは、やがて事業の収益性が悪くなるのか、あるいは独自のイノベーションを実現し、ブルーオーシャンにたどり着くのかいずれかだろう。

 

ところで、素材から部材へ、は素材メーカーで達成されたイノベーションである。このイノベーションでは機能素材に関する科学的研究がかなり深くまで行われ、多くの知識の蓄積が成された。さらに学会ではこれらの知識について検討され知識の体系化が進められた。

 

しかし、素材開発から部材開発へ進む過程で生まれた知識の多くについては、各企業のノウハウとして蓄積されあまり公開されていない。その結果、特許を読むと同一素材を用いながら異なる領域を権利化しているような状態である。

 

科学が変化に追いついていないのでそれぞれの特許に書かれた真実を証明できていないが、技術者にとっては好都合の機会である。ドラッカーのイノベーション論では、プロセスに潜むニーズはイノベーションの良い機会の一つと述べられている。

 

すなわち、今、素材から部材を経由して最終製品までのプロセスを眺め、材料が変性される機会を探し、そこで新たなニーズを見出し応えてゆく技術開発は、イノベーションを起こすことが可能となる。(明日へ続く)

 

 

 

カテゴリー : 一般

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