2015.03/21 イノベーション(40)素材メーカーの場合
昨日の続きになるが、素材から部材を経由して最終製品までのプロセスを眺め、材料が変性される機会を探し、そこで新たなニーズを見出し応えてゆく技術開発と抽象的に述べたが、ここで展開されるのが先に述べたマネベーション8つの戦略である。
繰り返しになるのでマネベーションについては以前の活動報告を読んでいただきたいが、このイノベーション戦略について経済学分野では、ドラッカーのイノベーション論よりもブルーオ-シャン戦略が有名である。
そこには、Eliminate、Raise、Reduce、Createの4つのアクションの有効性が述べられているが、これらはこの活動報告で説明したマネベーション8つの戦略に包含されている。経済学分野の成果についてはその分野の多くのコンサルタントが解説しているのでそちらを見ていただきたいが、当方のマネベーションは1980年代に独自に考えた戦略をまとめた成果である。写真会社でその有効性を20年間の技術開発で確認してきた。
経済学の成果についてのほとんどは、技術者に縁遠い内容に見える。しかし、企業の技術者にとってマーケットはアウトプットを出すための重要なゴールなので、経済学の成果も勉強する価値がある(注)。ゆえにその方面の勉強もすべきだが、技術の方法を追及していくと経済学のゴールを包含した結果になるのではないか。なぜなら、技術と言うものは人類の幸福に必要な機能を開発する行為だからである。
ところでドラッカーを例にイノベーションには機会が重要である、と説明し、その見つけ出した機会を攻略するための8つの戦略について、30年近く前に行った早すぎたイノベーションである高純度SiCの技術に、本日最初に述べた話を適用すると新たなイノベーションを起こすことが可能で、基本特許を出願できるよい機会である。ご興味のある読者はご相談いただきたい。
(注)偉そうに書いているが、単行本として出版された本を斜め読みするだけで良い。知識労働者の時代において、読書は趣味ではなく寝食同様の基本欲求になっていなければならない。すなわち21世紀になり基本3欲求ではなく基本4欲求へ人間が進化し、その欲望を満たすために電子出版が登場したのかもしれない。弊社はこのような視点で電子出版をスタートしたが、現在新たな戦略で取り組んでいる。未来技術研究所(www.miragiken.com)はその一つの戦術である。もしお時間がございましたら一度ご覧になり、ご意見を頂きたい。
カテゴリー : 一般
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