2015.04/10 先祖がえり
ローソンが宅配便サービスを始めるという。そしてその中に御用聞きのサービスがあると書かれたニュースを読んで驚いた。まるで先祖がえりである。
50年以上前ご近所の小売店は、米屋だけでなく味噌、醤油やパン、牛乳に至るまで御用聞きが我が家へ訪問していた。パンや牛乳の御用聞きがこなくなり、次に味噌と醤油がこなくなった。米屋は同級生の店ということが理由かもしれないが、当方が就職しても暫くは御用聞きに来ていたようだ。
やがていつの間にか一人も御用聞きが来なくなった。いつの頃か記憶にないが、母親から買い物でお米を買って帰るのが辛くなった、と愚痴を聞いたので、米農家からの直配サービスを利用するようになっていた。幼馴染の米屋はレコード屋に変わっていた。
米屋から転じたレコード屋ではCDを売っていたが、25年前まで看板は「**レコード店」のままだった。米屋だけではやっていけないから、レコード屋を併設したことは聞いていたが、バブルはじける直前には「マルチメディア館」となり、いつのまにか米屋を廃業していた。
やがてその「マルチメディア館」は、レンタルビデオや通信販売なども始めた。今はもっぱらインターネット販売が売り上げのほとんどでアマゾンとの競争にならないようにしているという。
時代の流れとともに商流が変わり、大資本の進出で中小の零細業者が駆逐される流れの中で業態を変えしぶとく生き続けている小売店もある、と感心していたら、大資本の店舗が、その昔に小売店がやっていたような御用聞きを始めたというニュースである。先祖がえりの現象であるが、温故知新でもある。
もしこの御用聞き作戦が成功したならば、コンビニ業界にイノベーションが起きる。なぜならコンビニで扱っている商品は生活に便利な品というカテゴリーで何でもアリだからである。そしてこのイノベーションはヤマダ電機やビックカメラにも波及するはずだ。
カテゴリー : 一般
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