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2015.05/29 私のドラッカー(2)

ゴム会社では、30年以上前に55歳役職定年制度が定まっていた。またアメリカ企業を買収し、その資金捻出のためにリストラを余儀なくされ、新聞に誤った情報が流れたりした。

 

それから30年経っても早期退職を巡る企業経営者と知識労働者の間では時折問題が生じ、昨年には「追い出し部屋」なる言葉が登場した。「断絶の時代」でドラッカーが指摘した内容は、未だ解決に至っていないのだ。

 

そのような状況で70歳定年制がささやかれるようになった。経営者からは単なる負担増の制度という声が聞かれるが、ここは思い切って現在行われている雇用制度を給与面から再度見直してみてはどうだろうか。

 

日本の終身雇用制度は崩れつつある、と言われているが、終身雇用制度を崩す必要も無いのである。全く新しいコンセプトで企業と従業員の雇用関係を見直す作業を行えば良いのである。

 

日本では労使関係を円滑にするために企業内に労働組合を持っている会社が多いので、組合で70歳定年制を議論させれば良いのである。特に第二次産業は今後の飛躍的成長は合理化しかないことが見えている。その前提で、議論すれば意見はまとまってゆく。

 

今一番の問題は、組織と人との関わりにおいて、人側の意識がまるで進歩していないかのような出来事や記事が多いことである。40年以上前にドラッカーに指摘された内容が未だ労働者の価値観として定着していない。

 

「断絶の時代」(1968)P.F.ドラッカー(上田惇生訳)より

「組織の責任に関する第一の原則は、従業員への影響を可能なかぎり抑えることである。----中略----特に従業員に忠誠を求めることは許しがたいことであり、正当性を欠く。組織とその従業員との関係は契約上のものであって、あらゆる契約の中で最も狭義に解釈すべきである。このことは、組織と従業員の間に愛情、感謝、友情、敬意、信頼があってはならないということではない。それらは価値あるものである。だが、いずれも付随的であって、勝ち取るべきものである。」

カテゴリー : 一般

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